地区NOSAI内部の若い獣医さんを集めての馬臨床実習第二段。
この日は、生産地の獣医さんがやるべき蹄の診断、治療をテーマにした。
まず簡単な講義。
馬臨床獣医師として働く以上、蹄についての知識を増やさなければいけないし、正確な知識を持たなければならないし、
自分で興味を持って考えなければならない。
そのあと、実習馬を使って、
まず、蹄の視診、触診。
蹄鉗子(検蹄器)での鉗圧の練習するの忘れた;笑
蹄の痛みだと確定診断するためのPDN Palmar Digital Nerve のブロックをおこなった。
初めての獣医さんがやったが、ちゃんと効いた。
お昼にみんなでお弁当を食べて、午後は、
解剖体で削蹄の実習。
獣医さんは健康な馬を削蹄して回るわけではないが、蹄膿瘍(”砂のぼり”)の治療にも、蹄葉炎馬の管理にも、削蹄の知識と技術は必要だ。
X線を撮ってから考えると、外見から蹄骨の位置を推察する練習にもなる。
そのあと、実習馬を削蹄。
みなさん良い削蹄器具を持っているのにも感心した。使っていなくて新品同様なのも;笑
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削蹄師・装蹄師さんは正常な馬を削蹄・装蹄するのが仕事で、異常がある馬を診療するのは獣医師の仕事だ。
しかし、蹄の跛行だと”思ったら(ろくに診断もせず)”、「装蹄師さんに見てもらって」と逃げてしまう獣医師も多い。
装蹄師さんは、蹄鉗子で見当をつけて、X線画像もないまま蹄を掘ってみるしかない。
獣医師は薬(鎮静剤、麻酔薬、抗生物質、etc.)も使えるし、X線撮影もできる権限を与えられている。
しかし、1年間の教育を受けてきて、毎日馬の蹄を仕事の対象にしている装蹄師さんに比べて、知識も技術も腕力も不足している。
私は馬医者がもっと蹄についての知識と技術を増やさなければならないと思う。
No hoof, no horse.
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秋色の 中で死ぬのか ヒメマユガ
馬医者として30年働いて、5年で残すこと伝えることをやって、引退だと思ってきた。
国の財政事情と国民の健康事情で逃げ水のように5年延ばされた;笑
しかし、もう伝えること残すことだけを考えている。
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デアリングタクト!おめでとう!!