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Channel: 馬医者残日録
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症例報告を書きませう

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馬の外科、を中心に、学術論文を読むし、

診療に必要だと、PubMedなどで学術論文を検索したりもする。

馬外科医としての私にとって、最もヒットして嬉しいのは case series 症例集。

手術手技を知りたいし、その経過や予後についても知りたい。

           ー

学術論文としては症例集や1例報告はレベルが低いとされがち。

実験室での研究なら、供試動物は年齢や血統までそろえることもできる。

”方法”も統一できる。

”結果”は数がそろっていて、統計処理もされている。

”考察”も書きやすいだろう。

しかし、それがそのまま臨床につながるとは言えない研究論文が多い。

           ー

症例報告なら、図が多いのが望ましい。

学術報告は、文章できちんと表現されていなければならないのだが、文章だけより写真や図の方がわかりやすい。

例数が多い症例報告だと、一覧表もあると嬉しい。

           ー

どうしてその症例報告が書かれたのか、その病気の治療で何が問題なのか introduction にきちんと書かれているとありがたい。

考察で、それらのテーマが掘り下げられていて、すでにどのような報告が出ていて、今回の症例とその治療がどこを踏襲していて、どこが新しくて、予後がどうだったのか書かれているとたいへん参考になる。

           ー

新しい北海道獣医師会雑誌が届いた。

私たちの地域のNOSAIから case series が2報、載っている。

素晴らしい;笑

大動物臨床家のみなさん、症例報告を書きましょう。

自分が正しい知識を持っているか確認する機会になる。

自分が基本に沿った診療をしているか確認する機会にもなる。

あらためて成書や文献を読めば、新たな発見があるかもしれない。

そして、仲間や後輩の診療に貢献できるかもしれない。

                                               ー

牛はもう個体診療の対象ではなくなりつつある、と言う人も居る。

そんなことはない。

大動物獣医師のほとんどは、日夜個体診療に励んでいる。

その中には工夫もあるし、進歩もある。

それを示さねばならない。

             ー

みなさんが学術論文や症例報告を投稿しないと、北海道獣医師会雑誌は年寄りのエッセイ集になっちまうゼ;笑

          //////////////

1例1例積み上げる、ってこった;笑

 

 


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