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Channel: 馬医者残日録
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尺骨頭の骨折

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4頭で牧柵を壊して脱走していた当歳。

夜間放牧中の事故だったらしいが、昼間で行方不明で見つからなかったのだそうだ。

そして、4頭とも怪我していた、とのこと。

シカでも出たのだろう。あるいはもっと怖いヤツか・・・

うち1頭は尺骨頭の骨折が判明した。

休日の予定を変更して翌日に手術することにした。

         -

難しい骨折なのは覚悟していた。

尺骨頭部がちぎれて、ひどく変位している。

変位した部分の形状は胸と重なってしまうために視認できない。

対側肢を撮影して比較すると、欠損部として推察できる。

          -

手術台で仰臥にして、ひどく腫れた肘を切開したら内部は筋断裂も起こし、血腫になっていた。

上腕骨の肘関節面が見える。

骨鉗子をかけて変位した尺骨頭を牽引して整復する。

その状態で別な骨鉗子をかけて仮固定する。

尺骨の頂上部にプレートを置くのに邪魔にならないように注意。

大きく曲げた10孔ナローDCPを尺骨頭に固定する。

遠位部は浮いていても構わない。

compression をかけて牽引するのだから・・・・

とやってみたら、奥の方で触る骨折部が開いてしまう。

肘関節を構成している部分なので、できるだけ変位を整復したまま固定したい。

一旦はずして、DCPのカーブを強くし、やり直した。

(つづく)

           //////////////////////

横幅がひろくなりすぎていた枝垂桜を剪定した。

かなりの外科手術になった。

「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」

という言葉があるそうだ。

切り口は被覆剤を塗っておいた。

サクラ医者としては、知識不足、経験不足、技術不足、器材・薬剤不足です;笑

 

 

 

 

 


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