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Channel: 馬医者残日録
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尺骨頭の骨折 2

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尺骨骨折は、尺骨頭へいくほど難しいという印象を持っている。

新生子馬の尺骨頭の骨端だけが剥がれてしまったりすると、最悪のタイプのひとつだ。

かなり警戒して整復・内固定した。

さらにワイヤーで縫合するように固定しようかとか、

外側に短いLCPを当てて補強しようかとか、も考えていたが、必要ないだろうと判断した。

               -

子馬はなかなか覚醒起立しなかった。

飛び上がるように立ち上がるのだが、倒れてしまう。

そのうち術創から出血しだし、何度も転倒しているうちにプレートの端が飛び出してきた。

あきらめることにした。

元もとの骨折の内固定は維持されているのだが、プレートの遠位端から肘関節へと新たに折れてしまっていた。

おそらく覚醒起立の最初の頃の転倒で、尺骨頭をぶつけ、プレートに保護されていない端で折れたのだ。

もちろん、head and tail rope で介助していたのだが・・・・

尺骨頭の関節面。

術前、術中のX線画像で把握していなかったが、尺骨頭の関節部に大きなピースがあった。

                                           ---

尺骨の肘関節を形成する部分の端は anconeal process 肘突起。

anconeal ; 肘

だが、他の部位を呼ぶときには使わない。

じゃあ、肘関節は?

cubital joint

cube ; 四面体 と関係するのかと思ったが、「寝る」が語源なのだそうだ。

肘を着いて寝るから。

北米馬外科専門医のYoshi先生に教えてもらった。

                -

あの子馬を救うためにはどうすれば良かったのか考え続けている。

世界的権威者に尋ねてみるか・・・

そのためには正しい用語で正確に状況を説明しなければならない。

              //////////////////////

とうちゃ~ん

かまってくれ~

 

 

 

 


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