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Channel: 馬医者残日録
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蹄側蹄冠裂のその後

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3週間前、右後ろ肢の外側蹄側蹄冠部を大きく裂いてしまった3歳種雄馬。

怪我して18時間以上経っていたようだし、傷は汚れていたし、

おまけに蹄冠部の血管叢がむき出しになっていて、デブリドすると血が噴き出すので徹底してきれいにすることはできなかった。

蹄軟骨も切れていた。

Distal Limb Castを巻いて3週間。

キャストの上に滲出があったり、キャストトップが当たったりはしなかった。

distal limb cast ってあんまりやらないけど、良いかも。

うるさい種雄馬なので、しっかり鎮静して、鼻ネジして、右前肢を持ち上げておいてギプスカット。

傷の状態はとても良い。

角質部は当然癒合しない。

しかし、蹄冠がだいじょうぶなら蹄はまた伸びてくる。

distal limb cast の蹄底部は磨り減ってなくなり、土や汚れが入っていた。

ずっと完全に覆っていたい、例えば蹄底に大きな穴を開けた症例なら、もっと保護が必要だろう。

          ー

下肢の傷をキャストで動かなくすることは傷の癒合にとても良い。

もっと使うべき症例があるのかもしれない。

逆に、傷を負ったまま歩き回ってしまう馬の創傷管理の難しさを思う。

受傷部を高く保って、ベッドでおとなしく寝ていてくれればこんな苦労はないのだけれど。

         ////////////

本格的な冬の寒さがやってきた。

暖かくして寝ていましょう。

 


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