
さて、いよいよ論文執筆。
しかし、研究計画書の作成に最低でも3ヶ月、前向きの研究であれば6ヶ月くらいの時間をかけるのが標準---
なのだそうで、それくらい時間をかけて研究計画書を作っておけば、研究論文の導入部”introduction”は完成しているはず----
データを先に集めて、どうにかすれば有意差がでないかと試行錯誤を繰り返すのを”P値(ピーチ)姫を探す冒険”というのだそうだ。
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論文執筆におけるガイドライン
ランダム化比較試験の場合はCONSORT声明という指針に沿って論文を記載する。
CONSORTとはConsolidated Standards of Reporting Trials.
観察研究の論文を書く際にはSTROBE声明という指針がある。
STROBE声明とはStrengthening the Reporting of OBservation studies in Epidemiology statement.
その他、論文やレヴューに関する各種指針がある。
STARDイニシアチブ
MOOSE声明
GRADEシステム
TRIPOD声明
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Introduction緒言 をどう書き出そうか悩むことはしばしばあるが・・・・
第一段落 トピック 現在の臨床で注目されているトピックが何か
第二段落 研究疑問の明確化 既存研究で明らかになっていないこと、自分の研究疑問は何か
第三段落 仮説の提示 仮説を提示し、研究疑問を解決するための方針を記述する
ということなのだそうだ。
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Patients and Method
PECO/PICOにしたがって書かれる医学論文は、Material and Method ではなく、Patients and Method と書かれるようになってきているのだろうか・・・?
獣医学分野はまだ科学論文としてMMと踏襲することを強要されている気がする。
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さて、そのあとはResults なのだが、長くなるので、つづく。
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外科医が誕生日におこなった手術では、死亡率が1.3%高い、という研究結果が、医学のトップジャーナルのひとつにオンライン掲載された。
外科医もヒトの子、諸事に左右されるのは仕方がない?
統計の取り方で1.3%くらいの有意差は出せるかもしれない?
そもそも1.3%くらい許容範囲?どっちに転ぶか分からないんだし?
子供や奥さんの誕生日はどうだったんだろう?
誕生日の午前中と午後の手術では差はなかったんだろうか?
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この調査結果を信じるとして・・・・
外科医は誕生日には仕事を休もう!
そもそも徹夜明けなどは手術はやめよう!
誕生パーティなどほとんどできない日本の外科医では考えられない、という意見もあるようだ。
私は・・・・・60の誕生日は結腸捻転2頭で夜中まで働いていました;笑