朝、飛節OCDの関節鏡手術。
若い先生に教えながらやるが、細菌性関節炎の関節洗浄や先週からの疝痛馬が待っていてのんびりもしていられない。
関節鏡手術は早々に終わらせて、
もう破水から4時間経っている難産。
最初から頭が触れない、とのこと。
枠場に入れて腕を入れると、両前肢は膣へ来ているのだが、頚が曲がり、頭は下顎にしか触らない。
「全身麻酔して出せるかやってみましょう」
もう16歳で、もうそろそろ繁殖を引退、と思っていた馬だそうだ。
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全身麻酔して後肢を吊上げて、両前肢に産科チェーンをかける。
さらに腕を入れて、頚にもチェーンをかけた。
それを引張ってもらうと、子馬の顔に触ることができた。
子馬はもう死んでいるだろう。
眼窩に産科フックをかけて、弱く引いてもらうと鼻っ面がこちらを向いた。
頭を産道へ誘導したら、膣内へ頭が入ってきた。
ショットラー(産科ワイヤー)を子馬の耳の後にかけた。
あとは引張るのだが、まだ横胎向なので、捻る。
上胎向になった。
牽引して・・・・娩出させられた。
大きな雌子馬だったが、角膜は白濁していた。
早い時期に死んでいたのだろう。
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向こうの覚醒室で疝痛の馬を倒して、腸管手術が始まる。
もとは結腸便秘だったようだが、結腸が変位し、便秘が解消したあとも便が出ない。
手術の開始だけ手伝って、私は午後は地元獣医師会の理事会。
戻ってきたら、開腹手術の最中だった。
子宮角に血腫ができているのと、その部分で穿孔し、腹膜炎を起こしている。
血腫を切開して凝血をかき出し、あとはいつものように穿孔を閉じ、腹腔洗浄。
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その夜中、1:44に起こされた。
「難産で、片方の腕節しか触れない」、とのこと。
来院して、枠場に入れて、産道に手を入れてみるとたしかに。
22歳でもう種付けはしない馬。
「牧場でも子馬は動いていなかった」、とのこと。
家畜共済も非加入の牧場。
とても帝王切開や全身麻酔しての難産介助の対象にはならない。
枠場でやれるだけやってみる。
若い獣医さんに、「中手骨に産科チェーンをかけて」
「それを引張りながら、今度は繋にチェーンをかけて」
と指示しながら進める。
片方の腕節は伸びて、産道から蹄が出た。
球節が硬い。
蹄も黄色く染まっている。これは、胎仔が胎便を洩らしたことを示している。子馬はもう死んでいる。
もう片方の肢も伸ばして、それから曲がっている頚を伸ばして・・・・だが、
母馬が汗をかき、踏ん張り、苦しみだした。
もう苦痛を与えても仕方がない。
そのままあきらめることにした。
解剖場で子宮を開けてみた。
子馬は頚を曲げ、伸びていない残りの腕節でその頭を抱えていた。
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入院厩舎に、きのうの開腹手術馬2頭が入っている。
もう夜が明ける。
検査と治療をしなきゃ。
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ウメ~はさい~たか
さく~らは まだかいな ♫