回腸盲腸重積で、小腸が盲腸の中へ30cm以上入り込んでいた1歳馬。
とても引き抜けないので重積部はそのままにし、空腸を盲腸へ吻合した。
それなりに経過は悪くなかったのだが、2週間以上経って腹膜炎を起こした。
超音波検査では、盲腸の中に重積した小腸がまだ見えた。
汚れた腹水も大量に・・・・
トロッカーカテーテルを腹底へ留置して、腹腔洗浄することにした。
しかし、数日後死んでしまった。
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剖検では、なんと重積部の入り口で空腸がちぎれてしまっていた。
指を入れているのが盲腸への入り口。
その左下にバイパス吻合部があり、その右方の盲腸へ向かっていた空腸が切れてしまっている。
盲腸を開くと、重積した空回腸はまだ残っていた。
期待したのは、盲腸の入り口で小腸と盲腸が癒着して閉じることだった。
しかし、癒着しないまま、小腸が壊死してちぎれた。
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結果的にみれば、重積を引き抜けなくても盲腸の入り口で小腸を切断し、盲腸の入り口を縫合して閉じてしまう方法もあったかもしれない。
重積部を温存してバイパスすることについて、かつてDavid Freeman先生がアメリカ獣医師会雑誌にコメントを掲載されたことがある。
それは、盲腸結腸重積で重積した盲腸を温存したまま空腸を結腸へバイパスした3例の症例報告に対するものだったが、回腸盲腸重積でも共通する部分があるかもしれない。
われわれは引き抜けない、引き抜きにくい重積にこれからも遭遇するのだ。
回盲部ならどうするか、盲腸結腸重積ならどうするか、考えておく必要がある。
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エゾヤマザクラに少し遅れてソメイヨシノが咲いている。
エゾヤマザクラもそうだが、ソメイヨシノは輪をかけて弱いようでテング巣病にかかっている樹も多い。
手入れしてやってもらいたいものだ。
うちの構内のサクラもかなり病におかされているのだが春は忙しくて・・・・
コラ、しっこかけるな