夜、呼ばれる。
繁殖雌馬の疝痛。
結腸捻転? そうみたいです。
術前ヘマトは? 54です。
いつから痛いの? 午後3時にフルニキシンうったら落ち着いたそうです・・・・
けっこう厳しいかも。
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引き出した結腸はこんなようす。
色調はひどくはないし、内容を抜いたらかなり回復した、が・・・・
粘膜はほとんど壊死状態。
結腸動脈周囲も浮腫と出血がひどい。
結腸動脈の拍動も弱まっている。
切除することにする。
ー
助手を務めてくれたのは新卒の獣医さん。
それだけでは間に合わず、助手の助手も手を出すことになった。
粘膜は切除部位でもひどい色調だった。
large colon subtotal resection は無菌的にはできない手術だ。
腹腔を汚染しないように準備をしておいて、手早くやるのが肝要。
私は日付が変わる前に引き上げた。
ーーー
翌日、夜また呼ばれた。
難産やってるんですけどお願いします。
行ってみると後肢吊上げでもう20分ほどやっていて、両前肢は整復したが横胎向で、頭が出てこない、とのこと。
帝王切開する気もありますか?
と飼主さんに訊くと、「ウン」との答え。
しかし、20歳で、もう種付けしないつもりの馬だった、とのこと。
それでは帝王切開の対象にはならない。子馬はもう死んでいる。
ー
眼窩か、下顎にフックをかけて引っ張ろう。
少しでも引っ張れたら、後頭にワイヤーをかけよう。
それで頭が出てきたら、子馬を捻って上胎向にしよう。
と、指示だけしてやってもらう。
30代の獣医さんが3人もいるのに、もうすぐ61歳が自分でやっちゃあいけない。
なんとか、子馬を引き出せた。
発育の悪い子馬はもう死んでいた。
「親もダメなんじゃないの」と飼主さん。
「ダメかもしれないけど起きれたら連れて帰って下さい」
結局、飼主さんは自家淘汰を選択した。
その辺りの掃除は大仕事。
終わって、11:20。
二晩続きで11時過ぎは疲れる。
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翌朝は、相棒をシャンプーしなければいけなかったからね;笑
おかげさまで、記念撮影するくらい綺麗になりました。