でべそ、臍ヘルニアのゴムリング処置が行われる季節になっていると思う。
共済加入したらやりましょうか、で3月生まれでも5月から保険加入しているし、
子馬があんまり大きくなると保定もたいへんだし、
腹圧が高くなると臍の状態もたいへんだし、
放置しておくと嵌頓(入り込んで抜けなくなること)のリスクも高まる。
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2日前に臍ヘルニアにゴムリングをかけた当歳馬。
そのあとから疝痛症状を示した。
2日目に「これはおかしい」ということになり運ばれてきた。
ゴムリングで縛られた臍自体は小さくてシワがよっているので超音波プローブを当てられない。
その根元を超音波で見てみると・・・
何か、正常ではない構造物が見えた。
本来なら、細くなった臍静脈以外は何もないはずだ。
痛がっているので、ゴムリングは外さなければならない。
ゴムリングを外すなら、どうせ臍ヘルニアの手術はしなければならない。
まだ2日目なので、皮膚の壊死後の感染は進行していない。
全身麻酔して手術することにした。
ゴムリングを切断し、皮膚を舟型に切除して、ヘルニア嚢を切除して、
念のために腸管を探査していると・・・
あらら、挟まれていたのであろう部位がみつかった。
放置すると穿孔しかねないので、切除することにした。
V型に切除して、狭窄しないように横断方向に切開部を閉じた。
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臍ヘルニアのゴムリング処置は生産地ではやらなければならない処置なのだろう。
しかし、十分に注意してやる必要があるし、
それでも、リスクは付きまとうのかもしれない。
そして、処置後に子馬が痛がったらやはり外さなければならない。
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二晩つづきの深夜労働明け、
野草になぐさめられる。
サクラソウ。
ホントはねぎ(ギョウジャニンニク)採りにいったんだけどね;笑