競馬場から2歳馬が骨折したとの連絡。
できるだけ早く手術してもらいたい、とのこと。
帰ってくるのを待って、1日か2日は輸送の疲れをとり、輸送熱を起こさないか様子を観なければならない。
それにこちらも手術の予定で連日午前も午後も埋まっている。
その合間に立位でやるか?
前肢の球節外側のscrew固定だ。立位でできなくはない。
しかし、キャストを外し、毛を刈り、消毒し、局所麻酔し、・・・・と立位でてこずりながらやるなら、全身麻酔してもそう時間はかわらない。
馬がうるさいと、結局全身麻酔しなければいけなくなるし、
馬が動いたり、鼻をブルブル鳴らしたりしたら、衛生的な手術はできない。
毎日手入れをしていた競馬場とは馬の体の汚れもちがう。
午後3時半から手術することにした。
第三中手骨外側顆の骨折。
「うちあげ」でも撮影して、掌側関節面にくさび型の骨片がないのも確認した。
顆condyleには、横から見た中心にscrewを入れる、で良いと思っている。
掌側・底側の皮質だけが割れることがあることからすると、背側へずれないほうが良いだろう。
この部位はaiming device が使える。
あまり大きな馬ではないので、54mmを入れたら短かった。
(まだscrewは完全には締めていない)
これでも有効なネジ山の牽引力は、screwの芯である3.2mmより強いとされているので、この長さでも構わない。
近位にもう1本screwを追加して、
遠位側のscrewは56mmに差換えた。
screwを締めて骨折線は見えなくなった。
1時間かからずに終わった。立位でやるより早かったかも。
麻酔覚醒起立のためにキャストしたが、1日か2日で外して構わない。
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娘の本棚に置いてあったので読んだ。
父親が4人いる男子高校生の日常と事件。
父親らは、ギャンブラー、元ホスト、体育教師、大学教授、の4名。
それぞれ得意分野を息子に教えている。
こどもは父親からたいせつなことを学びながら育つのではないか、というのがこの本の主題のように思う。
しかし、この特異な家族を創らせ、維持させている女性についてはさすがの伊坂幸太郎さんも書けなかったようだ。
私には・・・・・好ましい話だったが、軽すぎた。