前夜も疝痛だったが、落ち着いた、という1歳馬が翌朝はかなり痛く、来院。
超音波で小腸の完全膨満を確認。
留置された胃チューブからは胃液が出続けている。
開腹したら小腸閉塞で、回腸に硬いものが詰まっているのに触れた。
ヘイキューブ?
ビートの塊?
自分の便?
土のついた草の根?
いずれも触感が違うので、牧場の人に訊いたら「リナボックス」という敷料だろう、とのこと。
腹が減ると馬は食べてしまうらしい。
詰まっている部分は回腸自体も傷んでしまっている。
しかし、この部分を切除・吻合するとなると大掛かりな手技となり、かなりのリスクがある。
もみほぐして、液体で膨満した上位の空腸の内容も盲腸へ送りこんだ。
空腸にもリナボックスらしきものが入っている部分があった。
詰まっていたものがなくなったら、その部分を術創外へ出すことも見ることもできなくなった。
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敷料には、
稲ワラ、麦ワラ、牧草、オガ粉、さまざまな植物性繊維質、裁断された新聞紙、などが使われる。
食べても構わないのは牧草だけで、麦ワラ、稲ワラ、は便秘の原因になる。
何が使われているかわからない植物繊維でできた敷料は、馬の口粘膜に刺激があったり、腸閉塞を起こしたりすることがあるので食べるとよろしくない。
食べてしまう馬には使えない。
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熊撃ちの久保俊治さんの、狩猟とアウトドア活動のHow to が書かれた本。
今は狩猟技術を教える活動もしておられるそうだ。
久保俊治さんによれば、ヒグマは肉食を好む動物ではない、とのこと。
それはどうかな、と思う。
久保さんがフィールドとする道東でさえも、ヒグマは自由にサケもシカも捕らえられなくなっているのだろうから。
撃ち殺した獲物は、解体し何も残さないように数回に分けて人力で担いで運び出す。
マナーであり、ルールであろうが、そんなハンターはそうそう居ないのではないかと思う。