馬は骨を折ったら治らない。
は、今でも真実だ。
おとな馬が、肢をボッキリ折ったらほとんどの場合治せない。主な理由は・・
・体重が重い馬の骨は頑丈で、それが折れるときには強大なエネルギーによって破壊されており、ポキンと折れるのではなく、爆発するがごとくに折れていて、たいていは粉砕している。
・骨折したあとの応急処置までに、体重があるが故に無理をして開放骨折になっていることが多い。また、有効な応急処置も非常に困難。
・体重が重い馬が3本肢で生きていくのはなかなか厳しく、蹄葉炎を起こしやすい。寝ている時間が長いと褥瘡になりやすい。
・手術をするにも強大な力が必要で、骨が折れて騎乗変位をした部位を整復しようにも、その肢だけで馬を吊り下げても騎乗変位を整復できないこともしばしばある。馬の肢は1t以上の荷重を支えられる。それが壊れてずれたとき、人の指や手や腕で整復できない。
・治っても、もとの競走能力や繁殖供用に戻れないと経済的に意味がない。治療費は高くなりがちで、可能性が低いと治療を望まれない。
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300kg未満の当歳馬だと、上記の理由は乏しいので、まだ可能性はある。
4年前に橈骨をボッキリ折ってしまった馬が、競走馬になり、先日JRAで勝鞍をあげたそうだ。
嬉しい。
喜ばしい。
あの日、あきらめなかった関係者のみなさん、
その後、あきらめなかった関係者のみなさん、
その馬に多くの手をかけて下さった関係者のみなさん、
おめでとうございます!!