人が動物と生きること
サウジアラビアで、ラクダのレースやコンテストを含んだイヴェントが行われていて、 ドーピングやルール違反の処置をして出場するラクダも居て、失格になるラクダも少なからずいるのだそうだ。 それがTVのワイドショーで取り上げられ、コメンテーターが、 「ボクもボトックス注射を受けているけど、それは自分の意志でやっているので、 自発的にボトックス注射を受けるわけではないラクダにやるのは良くない」...
View Article手術室床のリフォームで
手術室にあった器材を外へ運び出して・・・・ 何をするのかというと、床のリフォーム。 だいぶヒビ割れて、剥がれてきていた。 汚れも落ち難い。 どうするのかと見ていると、研磨用のグラインダーで削っていく。 吸引装置が付いていて、ホコリは出ない。 浮いているところは剥がれてしまうのだそうだ。 コンクリートの割れ目は深く削る。 一日目は一層目の塗装で終了。...
View Articleよく使うLHSの長さ
骨折が治癒した馬から抜いたインプラント(プレート、スクリューなど)は捨てずにおいてあって、解剖体での内固定の練習に使っている。 きのうはLocking Head Screw を拾い出して、箱のスクリューケースに並べてみた。 サラブレッド生産地の馬病院で、どのくらいの長さのLHSがよく使われるかのデータになるだろう。 30~50mmがよく使われるようだ。...
View Article尺骨骨折プレート抜去
10月末に尺骨固定をDCP固定した当歳馬。 6週後にX線撮影してもらい、骨癒合しているようなのでプレート抜去することにした。 床リフォームが終わった手術室でやるつもりだったのが、塗料が乾いていない。 1日あせって汚れや足跡が残ると困るので、覚醒室でやることにした。 透視装置も覚醒室へ入れようと思ったが、ひどく重くて、わずかな段差を乗り越えるのをあきらめた。 骨折線はほぼ見えない。...
View Article手術室の色
18年前に、今の診療棟を建築したときに、手術室の壁と床の色はクリーム色か、わずかに青みがかったグレーホワイトか、どちらかを選ばなければならなかった。 私は、白を選んだ。 明るくて、清潔感があり、それなりに良かった。 床は傷つき、コンクリートの割れ目に沿って剥がれてきて、汚れも落ちなくなったので塗装しなおしてもらった。...
View Article上顎切歯骨骨折
馬は切歯を何かにひっかけて折ってしまうことがある。 ひどければ切歯にワイヤーを巻いて固定するが、抜いてしまってよい場合はとってしまう。 馬の切歯は切歯骨の歯槽にしっかり埋まっているので、病名としては「切歯骨骨折」ということになる。 2歳馬が上顎の切歯をめくってしまった、との連絡が入っていた。 1歳のときに片目を失明していて、競走馬にはならず、繁殖供用する予定の馬。...
View Article空腸上部の捻転は珍しい
夕方、当歳馬の疝痛の依頼。 午後2時半から放牧地で転がっていて、フルニキシンを投与したが痛い。 しかし、それほど激しく痛いわけでもない。 超音波で小腸が膨満しているのが見えた、とのこと。 ー 来院したら立ってはいられる。 少し前掻きする程度。 PCV39%、乳酸値1.6mmol/l。 超音波で・・・完全膨満した小腸が見える。 ー...
View Article年末の疝痛 癒着疝と引き抜けた回腸盲腸重積
朝、疝痛の繁殖雌馬が来ると言う。 来院して、超音波で著変なし、血液検査で著変なし。 私が直腸検査すると、膀胱がひどく膨満している。 尿カテを入れてもらったら、膀胱が縮み腹腔をゆっくり触れるようになった。 すると右下奥で塊状に絡んだものに触れた。 触ると明らかに痛い。 その部分を超音波であらためて見ると、肥厚した小腸と肥厚した腸壁が見えた。 -...
View Article新生子牛の中手骨開放骨折 1日だけ大掃除 そして大晦日
年末、前日難産で生まれた黒毛子牛が中手骨を開放骨折している、との連絡。 あいにく疝痛馬が来るのを待っているタイミングだった。 ざっと様子を聞いて、応急処置をしてもらって、翌日午前中に診療することにする。 手術しても治せるかどうかわからない、それでもやってみるかどうか畜主に確認しておいてもらう。 - 開放骨折は、その程度によってグレーディングされる。...
View Article迎春2022 仕事はじめは子牛の膀胱破裂
明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 元旦には初詣をはしごすることができました。 おみくじの文言にも素直になれるのが新年なのかもしれません。 - 私は5日が仕事はじめ。 何ごともなく、と思っていたら、夜になって新生黒毛子牛の膀胱破裂が来院。 5日齢。 腹囲膨満のわりには飲欲もあり、それなりに元気。...
View Article相棒の急変
私が休みの日、昼前から元気がなく、食欲もなくなった。 小動物病院を予約したが、混んでいるようで夕方、合間に診てくれることになった。 結果・・・・超音波検査で、腹腔内出血を起こしていて、脾臓に塊があるのも見つかった。 その夜、緊急で開腹手術してもらうことになった。 - 脾臓に3cmの塊ができていて、そこから出血していたそうだ。 脾臓には他にも5mmの塊が2つほど。...
View Article相棒の大病
11日におかしくなって、 その夜に開腹手術してもらい、脾臓を摘出して、 14日に退院して、 少しずつ元気になって、 18日、病理組織検査の結果を聞くのと血液検査に行ってきた。 結果は・・・・血管肉腫。 覚悟はしていたが、たぶん最悪の結果だ。 平均で1-2ヶ月。 抗腫瘍剤が効けば5-8ヶ月延命できることがあるが、それは様々だし、副作用もある。 抗腫瘍剤治療はしないことにした。...
View Article定年ゴジラ
定年ゴジラ (講談社文庫) 重松 清 講談社 誰がどこから持ってきたのか、家においてあったので読んでみた。 ニュータウンと呼ばれる住宅地で定年を迎えたお父さんたちの日常、そして街が抱える問題。 企業戦士だったお父さんたちは、仕事を失うとすることがない。 散歩で交流することになるが、ある者は病に倒れていく。そういう歳なのだ。 ニュータウンは同じ年齢層、同じ社会階層の者が集まっている。...
View Article3ヶ月黒毛の空腸閉塞
午前中、飛節OCDの関節鏡手術。 - 3ヶ月の黒毛子牛がきのうから乳飲みが悪く、元気がなく、第四胃が膨満している、とのことで来院。 超音波検査で、第四胃の膨満が確認され、小腸も張っているところがあった。 血液検査は、PCV53%、乳酸値1.9mmol/lとひどく悪い。 北米大動物外科専門医のY先生は、左横臥での肋骨後縁切開を選択。...
View Articleかつて橈骨をボッキリ折った馬がJRAで勝った
馬は骨を折ったら治らない。 は、今でも真実だ。 おとな馬が、肢をボッキリ折ったらほとんどの場合治せない。主な理由は・・ ・体重が重い馬の骨は頑丈で、それが折れるときには強大なエネルギーによって破壊されており、ポキンと折れるのではなく、爆発するがごとくに折れていて、たいていは粉砕している。...
View Article大学の先生の骨折内固定研修
この二日間、某大学の教授と大学院生が牛の骨折のプレート固定の研修に来ておられた。 器材はJonson&Jonson社Synthes Vetに貸していただいた。 うちの整形外科症例と重なってしまうと困るから。 到着日に講義とプラスチックボーンでの実習。lag screw とDCPによるコンプレッション。 2日目午前中は、講義のあと、子牛の脛骨、橈骨のDCP固定。...
View Article黄金旅程
私の父は競馬には興味がないのだが、図書館で借りてきて読んだらしい。 私も、家庭内又貸しで読んでみた。 相棒のそばに居る時間にちょうど良かった。 黄金旅程 (集英社文芸単行本) 馳星周 集英社 主人公は生産地で働く装蹄師。 その同級生で、かつてのJRAの花形騎手だった男。 そして、架空の設定だとされながら、明らかにモデルが居て想像してしまうほかの登場人物。...
View Article内固定手術での右利き、左利き
某教授と一緒に牛の骨折内固定研修に来た大学院生のK君は左利きだった。 左利きの人は、術創へ向く位置が右利きの人とは反対側だったりするので、二人でアプローチするには便利だったりする。 術者も助手も右利きだと、ふたりとも肢の左側に立って右手を使おうとする。 すると例えば変位の整復を維持している助手の体や頭が邪魔になって術者は右手でドリリングしにくかったりするのだ。 ー...
View Article明け2歳の結腸左背側変位、そして・・
日曜日、2日前からの2歳馬の疝痛の依頼。 鈍痛だったのが、転がるほど痛くなった、とのこと。 血液所見は悪くない。 PCV32%、乳酸1.5mmol/l。 超音波で左の腎臓は見えず、脾臓は腹底へ沈み、正中部分でも見える。 小腸が内容がある。この2日間絶食しているのに。 直腸検査で・・・結腸左背側変位だろう、とのこと。 ー 開腹したら、 やはり脾臓の一部が正中にある。...
View Article黒毛尾位過大仔の帝王切開
日曜日、家に戻ってから牛の帝王切開の依頼。 黒毛で、尾位で、過大仔なので、とのこと。 尾位だと頭位よりは早く出さないと子牛が死んでしまう。 過大仔だということはひっぱってみたのだろう。 第二当番も呼んで準備をして待つ。 ー 2産目で、午後3時過ぎに分娩が始まった。 かなり引っ張ったが出なかった。 後肢は押し込んで来院した、とのこと。 しかし、後肢は産道から出てきた。...
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