この二日間、某大学の教授と大学院生が牛の骨折のプレート固定の研修に来ておられた。
器材はJonson&Jonson社Synthes Vetに貸していただいた。
うちの整形外科症例と重なってしまうと困るから。
到着日に講義とプラスチックボーンでの実習。lag screw とDCPによるコンプレッション。
2日目午前中は、講義のあと、子牛の脛骨、橈骨のDCP固定。
午後は、講義のあと、子牛の上腕骨、大腿骨のDCP固定。
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3日目午前中は、講義のあと、5ヶ月の牛の脛骨骨折のLCP固定。
午後は5ヶ月の牛の橈骨のLCPとDCPによるdouble plates 固定。
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「今まで何頭も、プレート固定の技術があれば、と思う症例を経験してきました」とおっしゃっていた。
大学での獣医学教育では、小動物外科の中で整形外科が教えられているのだと思う。
私が学生だったころにはプレート固定までは習わなかったけど。
馬は、二次診療が確立されていて、われわれのように二次診療にたずさわる者は一生懸命に整形外科も勉強する。
しかし、牛の臨床としてはプレート固定までは習わない。教えない。
おかしなもので、大学で習わないで卒業すると、やらなくてよいこと、知らなくてもよいことと思われがちだ。
私たちの世代は、遺伝子を扱う技術やPCRに今もなじみにくいし、ヴァーチャルリアリティなどと言われると嫌悪感さえ感じがちだ。
だから、これからはぜひ大学の獣医学教育の中で、牛の外科の一部として整形外科も教えていただきたいと思っている。
そのことによって牛臨床の現場の認識も変わっていくだろうと思う。
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調子良かったのだが、夕方エサを食べなくなった。
口粘膜の色はあの手術した日より白くなった。
今度は肝臓あたりから出血したか?
こどもたちも心配して急遽帰ってきた。
なんとか持ち直して、本調子ではないが、食べて飲んで出してできている。
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犬を飼うと、犬はこどもたちの遊び相手になり、友だちになり、相談相手になり、
いつか子どもたちの歳を追い越し、老いることを教え、そして家族を喪うこと、死ぬことも教えてくれる。