子馬が、蹴られるか、牧柵に激突するかして右眼窩とその下を陥没骨折した、との相談。
X線画像も送ってもらったが、画像診断しにくい部位だ。
眼窩縁も割れているようだ。右目は飛び出して見える、とのこと。
内固定できるかどうかはわからないが、とにかく陥没を持ち上げないとそのまま固まってしまう。
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忙しい日で、その前に予定していた2頭は延期してもらった。
この顔面骨折の手術は緊急ではないが、そうそう先延ばしもできない。
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眼の下を水平に切皮、目頭側の陥没の端で曲がって、鼻梁から降りるように進めた。
手術台の高さは中途半端で立って手術すると腰が痛く、
膝をつくと、膝が痛い。
下瞼そのものは切りたくない。
皮下も眼窩周囲は筋肉が発達していて、骨にアプローチしづらかった。
眼窩下の骨はひどく陥没していたが、なんとかかなり持ち上げることができた。
スクリューが効く大きさと厚さがあるピースもいくつかあった。
細い器具で持ち上げようとすると骨が割れてしまうので、薬さじリトラクターで骨を持ち上げておいて、ドリリング。
2cmほどは骨を持ち上げただろう。
狭くなっていた鼻道と副鼻腔も少しは元に戻ったはずだ。
鼻涙管は最初にチューブを通そうとしてみたが、ダメだった。
崩れてしまっているのだろう。
再建する技術は私たちには、まだ、ない。
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庭のハナカイドウが咲き始めた。
昼から、雷と雨。