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Channel: 馬医者残日録
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馬は食いすぎて死ぬ 急性胃拡張

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夜、繁殖雌馬が疝痛で来院。

依頼の電話では、「痛みはひどくないが震えている」

「直腸検査で腸紐の緊張に触れる」、とのことだった。

この季節だ。

結腸捻転だろうと準備して待つ。

研修の先生も、第二当番も呼び出して、開腹手術の準備も万全。

来院したら、心拍84.

PCV61%、そしてWBC2500.

口粘膜

チアノーゼ。

立っているのが辛い状態だったのだが、枠場へ入れて超音波検査した。

大量の超音波デンシティーが高い流動物が腹腔にある。

腹腔穿刺して腸液のような腹水を回収。

念のため、白血球数をカウントして39000.

塗沫標本を作って、多数種の細菌と白血球が含まれていることも確認。

消化管破裂。

剖検して胃破裂を確認した。

          -

この季節、馬は放牧地で青草を飽食している。

厩舎に入れて飼葉を食べてから疝痛が始まったのだそうだ。

過食による急性胃拡張だったのだろう。

夜になって治まらないので獣医さんが呼ばれたときには、もう胃破裂していたのだ。

          -

この季節、放牧後の飼いつけ必要ですか?

         /////////////

相棒は、一度でいいから腹いっぱい食べたい、と思っていたんじゃないだろうか;笑

好きなだけ食べさせたことは一度もない。

ワンコは飽食させると、吐いて、吐いたものをまた食べるらしいけどね。

馬は吐けないので・・・・死んでしまう。

 


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