
この作者の本は、むかし何冊か読んだように思う。
エッセイは毒舌と現代批判に満ちていてなかなか面白かった。
一般に思われている「作家」のようにはなりたくない小説家といった印象。
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犬の飼い主としてはろくでもない。
理想の犬、を求めながら、次々と大型犬を飼い、理想ではないと難癖をつけ、死なせてしまったり、人に譲ってしまったり。
夫婦そろってそのようだからあきれる。
時代が違っているのを差し引いても。
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理想の犬と言いながら、どうも犬の本来の性質や姿を好きになれなかったのだろうと思う。
ラブを飼って、明るすぎる、陽気すぎる、はしゃぎすぎる、と文句を言う。
アフガンハウンドを買って、毛の手入れがたいへん、走るのが速すぎる、体力がありすぎる、言うことをきかない、と気に入らない。
ジャーマン・シェパードに執着していたようだが、シェパードの中の犬的な部分が許せなかったようだ。
そして、自分でも飼い主としてろくでもなかったことを認めている。
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この作者なりに理想の犬を求めて、次から次へと大型犬を飼替える。
それでも知人に犬を飼うことを勧めたりもしているので、犬と暮らす喜びを感じてはいたのだろう。
その相手も「知人」でしかない。
「こんなやつ」という悪口雑言の対象になっているから。
ただ、その中にうなづける部分があるからエッセイとして面白いのだろう。
平成の御世にはすでに許されなかった女性蔑視表現もひどい。
「女の腐ったようなやつ」は、今はすっかり聞かなくなった。
そして、男とはどうあるべきか、という話も。
今はタブーなんだろう。
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夜、大型犬たちが夢の中で笑うのだそうだ。
それも無邪気に、楽しそうに。
この作家は自分のこだわりで、犬たちと楽しく遊びまわるのを自分に許せなかったのかもしれない。
それでも、飼いついで来た犬たちがあたえてくれた喜びを実は感じていたんじゃないか?
夜、でっかい犬たちが夢の中で笑うのだそうだ。
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午前中、3歳の喉頭方麻痺 Tieback&cordectomy。
午後、今週わたしは検査担当。
手術室では腕節の関節鏡手術。
そのあと、黒毛子牛の腹腔内膿瘍の術創ヘルニア?の診察。
つづいて、1歳馬の飛節の細菌性関節炎疑い。
全身麻酔で関節洗浄。
しかし、関節液の白血球数は80/μlだった。