Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

PCV33%の結腸捻転 そういうと牛の帝王切開もやったのだった

$
0
0

午前中、黒毛和牛の帝王切開。

バングラデシュからの研修の先生と私でやる。

バングラデシュからの先生は5,6回しか帝王切開をやったことがなく、いずれも手遅れでひどいことになった、と言う。

今回も、子牛はもう死んでいて、予定日より13日も遅れている難産だったが、なんとか当たり前に終わった。

             -

夕方6時半、5歳の繁殖牝馬の疝痛の依頼。

昼から痛いが、ひどくはない。

しかし、フルニキシンでも治まらず、鎮静しても再発する、とのこと。

超音波検査で、右で結腸動脈が見える。

直腸検査では、膨満が著しい。

胃tubeを入れても逆流はない。 

             ー

実習生2人、研修の獣医さん2人を呼んで来院を待つ。

             ー

来院しても疝痛ははっきりしない。

枠場で検査できる。

PCV33%、しかし乳酸値は5.9mmol/l。

超音波検査で右で結腸動脈が見えるが、結腸壁は厚くない。

これなら朝まで様子を見れるか・・・・・

と思いながら直腸検査したら、盲腸・結腸のひどい膨満。

「手術しましょう。

昼からの疝痛だし、こんなにガスが抜けないのはヘ結腸の変位を疑います」

             ー

開腹したら盲腸が飛び出すほどの気脹。補液管を刺して減圧する。

結腸も膨満している。補液管を刺して減圧するが、引っ張りだしにくい。

なんとか引っ張り出した結腸は動脈周囲に黄色くむくみがあるが、結腸壁は厚くない。

骨盤曲を切開したが、粘膜はベージュ色で正常。

しかし、程度は軽かったとは言え結腸捻転なのだろう。

再発防止のためにcolopexyした。

            ーー

術後は輸液はしなかった。

翌朝、さすがにまだ元気がない。

PCV40%。

それでも口元に青草を持っていくとモソモソ食べる。

徐々に回復するだろう。

            -

この日、なんだか疲れを感じた。

寝不足でもないし、昨夜の手術は1時間ほどで終わったのに・・・・・

そういうと、午前中に牛の帝王切開をやったのだった。

          ////////////////

生産地の馬医者を引退したら、全国の桜を観て回りたい。

南から桜前線を追って北上するのも好いね。

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>