この秋も、エゾシカの角にやられたのであろう外傷症例が何頭か来院した。
胸を突かれて胸膜炎を起こした馬は数週間の治療後、安楽殺された。
(シカの角は特別汚いのか??)
別な、大腿部を刺された馬も来院した。
(受傷して数日後だったが、傷は化膿していた)
その飼主さんはハンターでもあるのだが、近隣の牧場への配慮もあるので自分の牧場でもなかなか撃てないそうだ。
U町だけでも2000~3000頭は駆除しているとのこと。
それでも減らないのだから、手をゆるめたら激増するのだろう。
高い柵で囲ってシカが入れないようにした草地では、牧草の収量が3割増えたそうだ。
1/4以上の牧草はシカに食べられていた、ということなのだろう。
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この地域の黒毛の飼養頭数は2万頭ほどだ。
シカを毎年1万頭駆除しているなら、黒毛和牛よりシカの生産頭数の方が多い;笑
ただし、食肉として有効に利用されてはいない(13%)。
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北海道全体では、13万頭が駆除されている(2020年)。
すごい数だ。
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ただし、エゾシカも絶滅が心配された時期もあった。
異常気象による寒波と大雪で一冬で壊滅的打撃をうけたこともあったようだ。
一度、大きく減少すると簡単には激増しないのだろう。
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家への帰り道、ここはシカの通り道になっている。
林に入ってじっとこちらを見ている。
一斉に、お尻の白い毛を見せて跳ねていった。
シカとぶつかる交通事故の被害も車両保険の掛金率が上がるほどのようだ。
気をつけましょう。
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シカの像は太宰府にもあった。
むかしから身近な野生動物だったんだろう。