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Channel: 馬医者残日録
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成馬の尺骨骨折プレート固定に関するあれこれ

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尺骨骨折のプレート固定手術をしたら、必ず頭ー尾方向のX線撮影もして、プレートスクリューが尺骨からはみ出していないことを確認することがたいせつ。

大丈夫だ。

           -

どの程度から粉砕 comminuted だと考える、扱う、のかという点については・・・ 

Equine Fracture Repairに載っている症例写真。

この症例でも粉砕だとしている。

たしかに尺骨頭側の内外方向への変位は大きい。

そして骨折線は1本には見えないが、これが粉砕骨折だというなら粉砕でない尺骨骨折は珍しいだろう。

ただ、この症例は・・・・

固定後に亀裂が明瞭に見えてきた(C)。

粉砕していたのだ。

成馬の尺骨骨折を甘く見てはいけない。

成馬の頑丈な骨が折れるとき、大きな力を受けて、それに抵抗した上で爆発するように折れる。

弱い骨がポキンと折れたのと違い、骨折線は複雑な走り方をし、粉砕しやすいのだ。

              -

成馬の尺骨骨折をcompression plate で固定したが、プレートを骨の表面に沿うように反らせ過ぎて、

関節へつながる部分の骨折線が開いたまま残ってしまった、という写真。

これは多少は仕方がないことだと思う。

私は今回の症例では、骨折線の上に来る部分を prebending しておいた。

多少、効果はあったかもしれない。

しかし、それ以上に、関節部から遠位へと骨折線が走っていたら、その骨折線を貫通するようにプレートスクリューを入れるべきだ。

上のEquine Fracture Repair の写真はそうしていない。古い症例の画像なのだろう。

             ー

to be continued

                                        ////////////////

昨夜は、繁殖雌馬の空腸腸間膜ヘルニアに、

繁殖雌馬の結腸捻転に、

たいへんな夜だったらしい。

おまけに断水し、今日の午前中の手術は延期。

昼、高齢馬の疝痛が来院するところへ、妊娠末期の繁殖雌馬の疝痛が先に到着。

待っていられない状態で、開腹したら推定診断どおり結腸捻転だった。

開腹手術中に高齢馬も来院したが、すでに腹膜炎を起こしており、予後不良。

これも推定診断どおり有茎脂肪腫だったらしい。

私は剖検を観る暇もなかった。

続いて、1ヶ月齢の黒毛和種子牛の嚥下障害。

               -

すっかり春の様相だ。

春は子馬のIgGを調べ、異常がないかチェックするベビーチェック事業を長年やってきた。

これは、NOSAIが半額を負担し、事故低下のためのサーヴィス事業として実施してきたが、

NOSAIの全道合併でその事業もなくなった。

馬IgGは測定することはできるが、全額牧場の負担になる。

詳しくはNOSAI獣医師にお尋ねください。

円安でもあるし、ウマIgG試薬もひどく高くなった。

              ーーー

シジュウカラ。

裏の林の中でいちばん活発かもしれない。

でもスズメより弱いようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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