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Channel: 馬医者残日録
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北海の狩猟者

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いつだったか、手塚治虫さんの「シュマリ」を読んだ。

明治維新の頃、北海道で生きた男の物語。

ちらりと、その頃の北海道を訪ねてみたかったと思った。

今よりはるかに厳しく、辛く、危なく、乱暴な時代だったと思うが。

           ー

ヤマケイ文庫 北海の狩猟者 羆撃ちと山釣りに明け暮れたある開拓者の記録   西村 武重 山と渓谷社

この本の著者は明治生まれだが、大正から昭和を根室から知床ですごした。自伝でありエッセイ。

本の前半は、ヒグマ猟が淡々と描かれている。

ハンターとはなんと執念深いものか。

足跡を追い、数日がかりで付け狙い、撃ち倒す。

子連れの熊でも容赦ない。

まだまだ、自然が圧倒的な強さを持ち、人が傷つけてもびくともしなかった時代の物語。

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この本に記録されている道東から知床の自然の豊かなこと。

山には山女魚や岩魚があふれ、原生林は深く、獣たちの密度が濃い。

本の後半は、どれほど山女魚が釣れたか書かれている。

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この本の時代は、知床や別海方面に入るには、釧路から陸路を行くか、

海路で根室半島を回って標津へ上がるか、

北見方面から山を越すかしか方法がなかったのだそうだ。

今は中標津がけっこうな街になっていて、空港もある。

根室の獣医さんたちは会議や学会に飛行機で出張してきたりする。

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私は知床半島の付け根の忠類川をカヌーで下ったことがあるが、とてもワイルドな川だった。

頭上をオジロワシが舞い、川にはサクラマスが泳いでいた。

川の曲がり角のたびに、ヒグマが水浴びしてないか怯えながら下った。

昭和初期だと、どれほどだったろう、と思う。

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養老牛温泉に二度ほど訪ねたことがある。

この著者は、養老牛温泉の開拓者だったのだそうだ。

開発が壊したもの、そのために失われたもの、そして時代というものを思わずにはいられない。

         ////////////

早朝、地震があった。十勝沖。このあたりは震度2.

昨夜から何度かに分けて雪が降った。

この冬一番の積雪だったかも。

それでも気温が高く融ける。日照量がもうちがうのだ。

           -

朝、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

4歳馬の繰り返す胃潰瘍の内視鏡検査。

当歳馬の食道梗塞。通過できず。

1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

2歳馬の跛行診断。

当歳馬の食道梗塞の再診。通過していた。

今日から、新たな実習生4名。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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