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2頭つづけて流れで開腹

早朝、分娩後の繁殖雌馬の不調・疝痛を診て欲しいとの依頼。

緊急度は高くないようだし、日中は診療予定が詰まっている。

合間の時間に来てもらって診察することにする。

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朝、下痢をしていた子馬の疝痛の依頼。

来院時間がほかの馬と重なってしまうが、向かってもらうことにする。

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朝の手術の最中に、分娩1ヶ月前の繁殖雌馬の疝痛の依頼。

胃液が抜けたが楽にならなさそうだ、とのこと。

すでに疝痛馬が順番待ちをしているので、すぐには対応できないから、「急がないで来て」と応える。

          ---

子馬が先に来院した。

疝痛は治まっている。

超音波で小腸、大腸の膨満が見えるが・・・多くの部分は動きがある。

血液は悪くはない。

入院厩舎で様子を観たいところだが・・・・この季節、牧場ものんびりしている時間はない。

帰って様子を観ましょうか。

           -

分娩後2日の繁殖雌馬は、腹囲膨満、食欲がなく、便が出ない。

直腸検査すると、腸紐の緊張を触る。

・小結腸の損傷

・盲腸便秘

・結腸の変位

が推定診断。

いずれにしても開腹しなければならない。

開腹して小結腸をたどるが、全長は引き出せない。

小腸内容を盲腸へ推送する。

大結腸を引き出す。内容は固くはないが大量。腹側結腸と右背側結腸。

骨盤曲を切開して内容を完全に洗い出す。

今度は盲腸の膨満が目立つ。このままでは自力では動けなさそう。

馬を左に傾けて、盲腸を引っ張り出し、盲腸尖を切開し、内容を完全に排泄する。

盲腸底と呼ばれる背側の部分まで完全に。

浣腸をしてもらいながら、小結腸から直腸、逆に横行結腸まで触るが閉塞や損傷はない。

結局、分娩前後の盲腸と結腸のアトニーだったようだ。

          ー

閉腹してもらっている間に、次の分娩1ヶ月前の繁殖雌馬を診察する。

PCV57%、右で、肥厚した?結腸壁と完全膨満した小腸が見えた。

これは開腹しないとダメだ。

前の手術が終わってすぐに開腹手術を始める。

妊娠子宮が腹の中央にあって全容は触ることもできないが、小腸の膨満と変色がある。

腹腔の右の背中側で、索状物が小腸を絞めている。それを鋏を入れて、手探りで切る。

回腸から上位へと引き出せるようになったが、色調は悪い。赤く、グレーがかっている。

妊娠末期の馬では、回腸がダメになっていると空腸盲腸吻合はできない。

妊娠子宮が邪魔になって、回盲部を引き出せないからだ。

あきらめかな、厳しいかな・・・・・

空腸のダメな部分は腸間膜の血管を結紮し、腸間膜を切って術創から垂らす。

そこを切開して内容を捨てる。

一旦腹腔へ戻しておいた回腸は色調が回復した。

これなら空腸回腸吻合で行けるかも。

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あとは閉腹。

終わって3時半。

2頭流は疲れる。

             ー

ガンバレ!! 大谷君。

勝てよ、エンジェルス!!

           ////////////

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ツリガネソウのような花が、と思ったら

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開くとこうなる。

 

 

 

 


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