4月の日曜日 結腸便秘と盲腸便秘と
ちょっと、診療予定も余裕ができてきて・・・・ 朝、出勤したら前夜からの入院馬の診察中。 分娩後4日目の繁殖雌馬。 口粘膜は斑状不潔感、帯黄。 直腸検査したら、右奥に内容の少ない結腸、そのさらに奥に膨満した盲腸を触った。 結腸は押すとへこむ程度の固さ、盲腸はへこまない程度の固さ。 周産期の盲腸便秘だ。 内科治療してみる方法もあるが、盲腸便秘に内科治療で対応すると、それなりの率で破裂してダメになる。...
View Article分娩後の不調を静観してはいけない
早朝、入院馬を診に行こうと思っていたら、分娩2日後の繁殖雌馬の疝痛の依頼。 来るのに1時間半かかる。 入院馬は、前日の結腸捻転馬で軽症ではないがPCVも下がり、母仔で退院できそうだった。 カルテを記入していると、分娩7日後の繁殖雌馬の不調の診療依頼。 70超の先生、「何だかわからないんだよ」とのこと。 血液検査もしていない。 ー...
View Article完治しない胃潰瘍、そして肝障害
その馬は、競馬場から不調で帰ってきた。 食べると軽度の疝痛を繰り返す。 絶食して来院してもらって、胃内視鏡検査をして、胃潰瘍を診断した。 PPI ;Proton Pump Inhibitor 治療をしてもらった。 ー しかし、ガストロガード(オメプラール製剤;代表的PPI)をやめると症状がぶり返し、 ガストロガードをやっていても疝痛を示すことがあった。...
View Article2歳馬の上位空腸炎
夜8時過ぎに疝痛馬の診療依頼。 「2歳で、夕方から疝痛で、夜になっても治まらず、胃tubeで10リットルの逆流があった。 しかし、疝痛はひどくはない」 「超音波で十二指腸の拡張があるが、ほかに小腸の膨満像はなく、直腸検査でもはっきりしない」 とのこと。 類症鑑別というか、経験的推定診断 ・急性胃拡張 ・回盲部重積 ・結腸左背側変位 ・上位空腸炎...
View Article子馬の急性胃拡張
午後、子馬がひどい疝痛だと言うことで来院。 昼飼いを食べた後、急に痛がりだし、フルニキシンも効かず、鎮静しても痛みがひどい、とのこと。 来院しても痛くて、鎮静したら倒れ込んでしまった。 1ヶ月半の子馬。 親とは別にペレットを与えている。 ー 寝たまま超音波検査して、蠕動はあるが少し厚い?小腸が見えた。 内容は粥状。 食べたものが流れてきているのだろう。...
View Article2頭つづけて流れで開腹
早朝、分娩後の繁殖雌馬の不調・疝痛を診て欲しいとの依頼。 緊急度は高くないようだし、日中は診療予定が詰まっている。 合間の時間に来てもらって診察することにする。 - 朝、下痢をしていた子馬の疝痛の依頼。 来院時間がほかの馬と重なってしまうが、向かってもらうことにする。 - 朝の手術の最中に、分娩1ヶ月前の繁殖雌馬の疝痛の依頼。...
View Articleポニー種牡馬の腕節崩壊を関節固定すべきか
地域外なのだが、ポニーが腕節を傷めて、腕節の関節固定の適応ではないか?ということで来院した。 長時間かかる手術で、術後も麻酔覚醒やキャストへの馴致状態をよく診たい。 牧場へのそれから帰った方が良いので、手術するなら午前中が良い。 遠方からなので、前日入りしてもらうことになった。 ー 来院したら、けっこう歩ける。 私たちがその飼主さんから直接話しを聞くのは初めて。...
View Article二頭流 ふたたび
朝、ややこしい整形外科症例の手術。 第一趾骨の底側突起の骨折をscrew固定しないければ行けない症例で、やっている最中、背側にも骨折が見つかった。 起きたことは骨折を伴うひどい捻挫なのだ。 ー その途中に子馬の下顎骨折の来院。 乳は飲めているが、両側折れている。 手術した方がいい。 しかし、手術室が空かない。 人手が厳しい。...
View Article盲腸便秘の開腹は左へ傾けるのがコツ
数日前から疝痛をしめしている繁殖雌馬。 分娩後1ヶ月以上経っている。 右で結腸動脈が長い範囲で見える。 結腸右背側変位? だとしたら内科的治療が成功することがある、とされているが、 この症例は開腹した方が良いだろう。 絶食し、下剤をかけ、待ったあげくに治らないと、それから開腹することになり、乳量も減り、子馬の成長にも影響する。 ー...
View Article分娩後の結腸捻転と給餌管理
夜中1時に起こされる。 分娩5日後の繁殖雌馬の疝痛とのこと。 来院したら立って居られないほど痛い。 血液検査でPCV53%、乳酸値6.2mmol/l、白血球13900/μlであることだけ確認する。 開腹手術を始めたのが午前3時前。 推定どおり結腸捻転だった。 結腸の損傷はそれほどひどくない。 右背側結腸にはかなりしっかりした内容が入っていた。...
View Articleこんどは夜中から三頭
日付が替わる前、起こされる。 分娩後20時間の繁殖雌馬が疝痛、治療しているうちに疝痛が強くなった。 直腸検査、超音波検査で異常所見不明とのこと。 ー 日付が替わって来院。 まだ痛い。 PCV41、乳酸値1.7mmol/l。 超音波で診て、肥厚した結腸壁を確認。 もう1人当番を呼び出して、開腹。 結腸は予想以上に傷んでいた。 2人でさっさと終わらせる。...
View Article関節鏡手術、大型Xray、開腹(膀胱破裂・結腸捻転・術後盲腸拡張)、PRP・・・一番たいへんなのは検査業務だった
朝、距骨外側滑車が大きく欠けたOCDの関節鏡手術。 関節鏡手術と言えども、骨軟骨片が3cmあったら3cmは切開しないと取り出せない。 初心者の頃は当たり前のことができなかった。 ー 1歳馬の前肢跛行。 もう半年も続いている。 しかし、放牧は続けている。 全身麻酔で肩関節の良好なX線画像を撮って、病変を把握して、ヒアルロン酸関節注入。 半年前から運動制限していたら、と悔やまれる。...
View Article2歳馬の結腸右背側変位
朝、繁殖雌馬の臼歯摩滅異常。 全身麻酔して歯根間隙の拡張を行う。 - 2歳馬の疝痛の急患。 朝飼いを食べてから痛い。 転がるほど痛かったが、激烈というほどではない。 フルニキシン効く。 来院して超音波検査で左腎臓描出できず。 右で結腸肥厚は確認できず。結腸動脈も見えない。 直腸検査で・・・・大きい馬で左の腎臓の尾側に指が届くが、腎脾間は十分には触れない。...
View Article結腸切開+盲腸切開+空腸最上位腸間膜ヘルニア整復+腸間膜裂孔閉鎖 in a mare
夜7時半、繁殖雌馬の疝痛で呼び出される。 分娩後2ヶ月近い繁殖雌馬だが、痛みも腹囲膨満もひどい。 超音波検査で膨満し、かなり肥厚した小腸が見えた、とのこと。 開腹して、回腸から小腸を辿ると空腸がどこかへ入りこんで素直に出てこない。 一旦膨満した中位部を創外へ出す。 回腸側とのつながりを探ると、ひどく浮腫をおこした中位部の内容を回腸側へ送れた。 そうしながら、少しずつ回腸側へ小腸を引っ張り出す。...
View Article早期胎盤剥離による難産
空腸腸間膜ヘルニアの手術が終わった頃、難産の依頼。 両前肢から来ているけど頭が捻れていて出せない。 近くの牧場。 20分ほどで来院した。 枠場で両前肢に産科チェーンをかけて・・・とやろうとしたが親が前膝を着いてしまった。 16歳?かなり体型も崩れている。 子馬は生きて動いている。 全身麻酔して出す方が速くて確実だろう。 ー 全身麻酔して後肢を吊上げて、手を入れてみる。...
View Article重種子馬の中足骨遠位成長板Salter-Harris Ⅱ型損傷のLCP固定
遠方から、重種馬の26日齢の子馬が中足骨成長板を骨折している、との相談。 翌朝、連れてきてもらうことになった。 まあ~親子そろってでかい。 子馬は146kgあった。 重さ、骨の長さ、太さがイメージできないと内固定のプランニングがしにくい。 私たちはサラブレッドを基準に考えてしまうが、150kgのサラブレッドよりずっと骨は太かった。 前日にX線画像を送ってもらって、骨折の具合...
View Article獣医師のコメント
御崎馬の1頭が骨折しているそうだ。 ニュースで観ると、中足骨が完全に折れて、ブラブラしている。 獣医師が、治療するよりこのままで生きていける、と判断した、とニュース映像の中で管理者が言っていた。 私はそうは思わないけど・・・ しかし、私は御崎馬の管理や治療については素人だ。 ー ケンタッキーダービーに出走する日本馬が3頭出走する。...
View Article繁殖雌馬の膀胱破裂
妊娠末期の馬が沈鬱、発汗を示し、翌日には発熱したのだそうだ。 そして膀胱破裂が診断された。 で、夜に分娩もしました、という電話を私が受けた。 では、来院してもらって、膣底を切開して膀胱を膣内へ逸脱させ、破裂孔を縫合閉鎖する手術をしましょう。 この手技は、 ・分娩前にやると、分娩時に膣底縫合部が耐えられずに腸管脱出するリスクがある。...
View Article結局、夜中の開腹になった腸石症
朝見つけた疝痛馬が来院。 超音波検査で、結腸壁の肥厚なし。 小腸の膨満も見えない。 直腸検査では便秘? 血液検査ではPCV30、乳酸値も高くない。 痛みはひどくはない。 便秘だと考えて電解質液を飲ませていいんじゃないの? 10リットルを経鼻カテーテルで飲ませる。 ー 数時間、馬はときどき伏臥していたり、前掻きしたりしたが、3回ほど堅めの便を排泄した。 また下剤かける?...
View Article子馬の脛骨近位成長板損傷S-H type Ⅱ のT-LCP固定
16日齢の子馬が、跛行し、脛骨近位の内側が腫れて、X線撮影で脛骨近位成長板損傷が確認された。 程度は軽く、変位はごくわずかだった。 これなら温存で治まっていくかも、ということで経過を観た。 跛行や負重の状態は悪くなることはなかったようだが、あまり改善もしなかった。 X線撮影で、徐々に変位してきているのが確認され、これ以上ひどくなるとよろしくないだろうと判断した。...
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