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Channel: 馬医者残日録
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余裕のある日のはずが疝痛つづき

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朝、出勤したら現役競走馬が疝痛で来院していた。

前日、競馬場から帰ってきてずっと痛い、とのこと。

「輸送による便秘じゃないの?」

直腸検査で骨盤曲の便秘が確認された。

超音波検査では有意な異常所見なし。

電解質液にモサプリド(消化管運動促進剤)を入れて経鼻投与する。

「入院しますか?帰りましょうか?」

PCVは高くない。

持続点滴は要らない。

帰って、ペインコントロールしながら便秘解消の治療を続けてもらうことにした。

           -

現役の競走馬が、夏の休養に帰ってきていて、調教中に眼をぶつけて眼球破裂してしまった。

来院したが、眼球破裂、虹彩脱は一目瞭然。

視力の維持も、眼球のボールとしての維持も難しいだろう。

ひどい衝撃がかかって眼の中の構造も壊れているし、

眼球内の出血も多いし、

眼圧が維持されてないので網膜も剥がれるし、

強い炎症が起こって全眼球炎を起こすからだ。

地方競馬は、登録馬が片目の視力を失ったときに出走できるかどうか、規則が競馬場によって異なるようだ。

主催者に問い合わせてもらうのがいいだろう。

           -

繁殖雌馬が疝痛で来院。

興奮しやすい馬で汗びっしょりになって疝痛症状を示した、とのこと。

来院したら疝痛症状なし。

乳酸値は高めだが、PCVはWNL(within normal limit ; 正常範囲内)。

大丈夫でしょう、帰りましょう。

           ー

午後、時間をずらしてもらって競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。

           ー

夕方、レポジトリーで発見された1歳馬のEE(喉頭蓋捕捉)のlaser 手術。

           -

そのあと、朝から疝痛症状を示している当歳馬が来院。

細め、初仔だから?

ロド感染症治療歴あり。

WBC20,000超。

超音波検査で小腸完全膨満像。

強い前掻き。

「開けましょう」

空腸上部に食べた物が詰まっていた。

触感、そして透かして観て回虫は含まれてない。

詰まった内容をもみほぐし、反吻側へ推送する。

できるだけ擦ったり、しごいたりしたくない。癒着の原因になるから。

子馬はときどきこういう小腸の単純閉塞を起こすことがある。

親の糞塊だったり、植物繊維だったり、毛(たぶん尻尾の)だったりする。

一晩入院してもらうことにする。

           -

関節鏡手術だけの予定で余裕のある1日になるはずが、急患つづきの1日だった。

         /////////////

暑さは少し和らいだけど・・・・・

いつもの北海道のさわやかな9月になるんだろうか・・

 


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