前夜、40℃の発熱をした繁殖雌馬が、翌朝、朝飼いを食べてから死んだ、ということで剖検。
口粘膜チアノーゼ。
実習生たちに、チアノーゼとは。それが起こる馬の死因について説明しながら解剖する。
まだ4年生なので、説明が最初からになり、時間がかかる。
4年生に、方程式を使わず算数を教えるのはたいへんでしょう?
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心臓、肺に点状出血。
心嚢液も多かった。
腸間膜根部、結腸動脈根部にひどい膠様浸潤。
「膠」って見たことないよね。「にかわ」ってね~、と解説する。
わかったかどうか知らん。
前夜、発熱があったことを考えると純粋な突然死ではない。
急性心臓死ではないだろう・・・
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腹腔臓器を観る。
腸内容は多くない。
そういうと、繁殖雌馬にしては細い。
腎臓が・・・・ひどく大きい。表面でこぼこ。
包膜をめくると、表面にあるのは数ミリから1cmまでの膿瘍が多発し、それぞれ膿があふれてくる。
腎臓を割ると、膿瘍が密発している。
化膿性腎炎だ。
右の腎臓も探すが、同じように化膿している。
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この繁殖雌馬は不受胎だった。この春は分娩したらしい。
どこが原発病巣かはわからない。
体調が悪く、この夏の暑さも堪えたのだろう。
血液検査でもしていれば炎症像に気づいたかもしれないが、治療して成功するとしたらごく初期だけだっただろう。
化膿性腎炎はめずらしい。
私は数例しか診たことがない。
しかし・・・・
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この日は当歳馬の突然死も剖検を頼まれていた。
また実習生に説明しながら剖検する。
口粘膜は貧血色とチアノーゼ。
胸腔の胸椎沿いに点状出血。
腸間膜根部に膠様浸潤。リンパ節腫大。
腎臓は・・・割ってみると、皮質に数ミリの膿瘍密発。
なんと、この当歳馬も化膿性腎炎だ。
どこかから細菌感染し、血流に乗った細菌が糸球体にトラップされ、腎臓を化膿させた。
めずらしい病態が1日に2頭も来るなんて・・・・
この記録的に暑かった夏と関係するのではないだろうか。
免疫も落ち、新鮮な水も飲めない放牧地で長くすごし、尿量も減り、細菌を洗い出せなかったのではないか。
そういうと、この9月はフレグモーネも多いようだ。
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宿直の夜をすごす職員住宅で、ロボット掃除機を使い始めた。
すっごい好い!
ブラシを振り回しながらあちこち床を行ったり来たりしてゴミを吸い取ってくれる。
物にぶつかると右往左往するが、またどこか行く所を見つけて進む。
部屋をつなぐ戸やドアを開けておくと、別な部屋にも入って掃除してくれる。
玄関の段差からは落ちないで、玄関の向こうの部屋へも入って、掃除して、戻って来る。
結構うるさいし、足元をうろうろ動き回るので、私が家を出るときにスイッチを入れて掃除を始めさせる。
すると家中を掃除した後、ちゃんと充電場所へ戻っている。
(一度、床に置いたバッグに乗り上げて止まってたけど;笑)
まるで生き物のようで、そしてなんとなく可愛い。
そして、驚くほどホコリとゴミを吸い込んでいる。
もっと早く使えば良かった。