当歳馬の尺骨骨折が来院。
発症からもう4-5日経っている。
最初はひどい跛行だったが、だいぶ痛みがとれたようで患肢も使って歩いてきた。
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8孔DCPで固定。
当歳といってももう300kg近くあるので、しっかりした固定をする必要がある。
尺骨は薄い骨で、成馬でも尾側にはナロープレートしか乗らない。
ナロープレートは成人男性の腕力で撓むが、馬の上腕三頭筋はわれわれの腕の数倍の太さがある。
本当は成馬の尺骨骨折ではナローは強度不足だ。
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牛は尺骨骨折はまれ。
しかし、私は1例経験がある。
Farm Animal Surgery は牛の骨折治療について詳述されている良い本だが、
牛の尺骨骨折を固定したプレートが折れてしまった症例がなんと2箇所に紹介されている。
折れてしまったので、2枚重ねで固定しなおした症例だ。
これは良い方法ではなく、ナロープレートでは強度が足らなかったのなら、
尺骨の尾側と、外側にもプレートを当てて、ダブルプレート固定するのが良いのだろうと思う。
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うちでは以前から尺骨骨折のプレート固定手術も仰臥位で行っている。
その方がアプローチも容易で、
X線撮影もしやすく、
手術中にプレートを落っことす心配もなく、
術者もドリルを扱い易く、
プレートを良い位置に乗せやすい、と考えている。
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尺骨骨折のプレート固定手術では、スクリューを良い方向へ入れるのが難しい。
薄い尺骨からスクリューがはみ出さないように、はみ出していないかどうか、尺骨の内側外側を鈍性に剥離し指を入れることができる。
必要なときには、anconeal processまで指を入れることも可能。
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何を経験してきて
何を考えてやって来て
何を学んできたか
伝え残していきたいと思っている
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私の新しいトレーニングスペース。
なかなか好いよ。
もっと乳酸が溜まるほど追い込まないとスノボには筋力不足だとわかった。
耐乳酸トレーニングってやつだね。