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Channel: 馬医者残日録
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子牛の消化管閉塞への対応は難しい そして、「ともぐい」

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朝、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

        ー

そのあと、1歳馬の原因不明の発熱。

腹腔内におそらく膿瘍と思われる塊が見つかった。

        ー

1ヶ月齢で、腹囲膨満し治療を受けた黒毛和種子牛が死亡した、とのことで剖検依頼。

第四胃捻転だった。

すでに壊死が始まり、腸管が癒着していた。

早く開腹すれば助かったかもしれないが、そのタイミングがいつだったのかはわからない。

        ー

もう1頭、黒毛和種子牛が3日間ウンコがでない。

疝痛はないが、腹囲が大きい。

超音波検査では・・・・よくわからない。

もう開腹してみなければならないだろう。

手術台で仰臥にすると、臍の左尾側の腹腔内に塊を触る。

開腹したら・・・

癒着したフィブリンの塊だった。

剥がしていくと、第四胃に小さい穿孔が見つかった。

牛の治癒能力で、汎腹膜炎にならずに済んだのだろう。

第四胃潰瘍の穿孔か??

穿孔創を縫合して閉じ、腹腔内を洗って閉腹した。

第四胃捻転も第四胃穿孔も、人工哺乳の弊害かもしれない。

         ー

午後は、1歳馬の球節の骨片摘出の関節鏡手術。

第一指骨掌側突起の骨片骨折だった。

         ー

もう1頭。

2歳馬の繋靱帯の外科的トリミング。

種子骨付着部の結合織の塊を摘出した。

         ー

韓国済州島からの研修の先生は今日で終了。

お疲れ様でした。

済州島でのサラブレッドの生産頭数は1000頭くらいかな、とのこと。

開業獣医師の診療所で働いていて、OCDの関節鏡手術が多いそうだ。

開腹手術や競走馬の骨片骨折は、KRAの診療所が対応している、とのこと。

済州ポニーは、価格が安いので、あまり診療対象にならないそうだ。

韓牛は誰が診療しているのか、よく知らない、とのこと。

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図書館で借りて読んだ。

期待してたけど・・・・・

熊爪という明治の狩猟者。マウンテンマン。

生への執着が乏しいのではないか。

私は、生き物の命を扱う仕事をしていて、感心させられるのは

馬たちが決して自分で生きるのをあきらめたりしないことだ。

河﨑秋子さんもかつてはご自身でヒツジを飼っていたそうだが・・・・

この主人公の生を軽視していないか?

マウンテンマンは世捨て人ではない。

その姿に生への賞賛を描かないと、偉大な物語にならない。

 

 

 

 

 


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