3日齢の子馬が肋骨骨折と胸腔内出血があるとのことで来院。
早期胎盤剥離だったので、急いで引っ張り出した、とのこと。
それ自体は仕方がないことだ。
子馬は貧血もしているので、輸血をしてから肋骨の整復と固定手術をすることにした。
私は15年前に1頭経験がある。その時は結束帯で固定した。
新生子馬を診たら、肋骨が折れていないか左右で1本1本よく触ってみなさい、
ということになっている。
肋骨骨折がある子馬にはときどき遭遇するが、手術しましょう、となることは少なかった。
手術しなくてもそれなりに治っていくし、
子馬の状態がよろしくないと、全身麻酔で手術するにはリスクがあるからだ。
X線画像では診断しにくい。
超音波画像と触診の方がわかりやすいかも。
この子馬は周囲の腫れがひどい。
肋骨が4本折れて、腹側の骨折端が内側へ落ち込み、over ride していた。
今回は、肋骨の骨折端それぞれに2つずつ孔を開けて、2 の吸収糸を通して結紮で固定した。
ワイヤーで縛ろうとすると肋骨が割れてしまいがち、
プレートとスクリューだと抜かなければならないかもしれず、化膿したらやっかいだ。
結束帯より丈夫な縫合糸の方が遊びなく結紮できる、かも。
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これは別な日、多発性細菌性関節炎と骨髄炎であきらめた2週間早く生まれてしまった新生子馬。
肋骨骨折もあった。
もう3週齢を超えていて、肋骨骨折も固まっているので触診ではわからない。
この子馬も4本折れていたようだ。そして、1本は変位がひどかった。
しかし、肺には傷ついた痕はないし、胸腔内出血の痕もなかった。
手術した子馬より肋骨骨折自体は軽症だったのだろう。
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ことしも庭に現れた福寿草。
植えたものじゃない。
増やしたいけど、いじればかえって消えてしまうかも・・・・
手を出すか、温存でいくか、その判断が難しい。