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Channel: 馬医者残日録
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馬をぶら下げて運ぶためのhobble あるいはsling

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馬全身麻酔するのに、前処置(鎮静剤投与)して、

倒馬剤(短時間麻酔剤投与)して、

気管挿管して、

手術室の手術台へ運んで、吸入麻酔を始める。

           ー

私たちにとっては日常で、確立された手慣れた方法なのだが、

獣医さんでも観たことがない、とか、想像がつかないとか、

できるようにしておかなければいけない、という大学の先生もいらっしゃる。

           ー

倒馬室から手術台へ馬を運ぶために、思いつくのはマットに乗せて運ぶことのようだ。

クレーンやホイストがなければ仕方がないが、

物理的に吊り下げられるなら、馬をマットに乗せる方式は取らない方が良い。

マットにうまく乗せるのがたいへんで難しい。

そのマットは手術台上でも使うことになるが、不衛生でクッション性が悪い。

手術室から運び出したら、馬の下から抜かなければならない。

           ー

馬は足架を着けてぶら下げて運んで大丈夫。

このためには丈夫な足架を使う。

hobbles ; 脚に着ける拘束具、つまり足架

sling でも通じるかも知れない。

両端にループがあって、両肢にはめて使うタイプもあるが、使いにくい。

この single loop hobble が絶対に使いやすい。

手術台に馬の肢を固定するのにも使える。

注意書き。

・馬をぶら下げることだけに使うてや

・この注意を守らんかったら人が大けがしたり死ぬで

・使う前に傷んでないか調べてや

・とがった角に強く当たらんようにいっつも気いつけてや

・定められた耐荷重以上で使おうとせんといてや

・耐荷重のタグが取れてたら使わんといて

・194°F(90℃)以上にならんようにしてや

・えらい弱なるように捻らんといて

・もし、熱とか化学的損傷、使いすぎなんかの徴候とか、ほかの傷があったら使わんといてや

・酸の近くで使わんといて

耐荷重 1000lbs (453kg)

                                       ー

USAの Shanks Vetrinary Equipment の製品。

         ///////////

うちの庭をキジが駆けていった

飛ぶのも苦手そうだし、鈍くさそうなのに、何を取り柄に生き残っているのだろう?

 

 


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