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Channel: 馬医者残日録
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「夜の牝馬」とは悪夢のこと

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サスペンスやらミステリーは読まないようにしているのだけれど・・・・

この本は読んでみようと以前から思っていた。

何せタイトルが「夜の牝馬」だし、獣医科病院や馬牧場が舞台で、ヒロイン?は女性馬外科医で、探偵役は女医にして馬牧場オーナーだそうだから。

しかし・・・・翻訳文がきつい。

タイトルも「夜の牝馬(めうま)」と読め、とわざわざルビが振ってある。

「ひんば」か、「めすうま」だろう。

あるいは、

”夜の牝馬とは悪夢”

”夜来る悪魔”

くらいのタイトルが良かったのではないだろうか。

            ー

皮肉の効いた、長い文章表現は好みが分かれるところ。

わたしは嫌いではない。

しばらく楽しみたい。

          ///////

去年の12月から夜間当番を免除してもらい、宿直も時間外診療もしなくなった。

夜中に診療の電話を受けることも、呼び出されて出て行くことも、

夜中に手術することも、徹夜することも、

早朝出かけることもなくなった。

体調はとても良くなった。

夜はよく眠れる。

夜中に起こされる、かもしれない、電話が鳴るかもしれない、というだけで休まっていないのだろう。

トイレや風呂に入るときも携帯電話を気にしていた。

夜に呼ばれれば、無影灯の明るい光の下で、とてもリラックスしてはできない仕事をすることになる。

のんびり、ゆっくり、落ちついてやりましょ、という仕事ではないのだ。

夜中に働けば、別な時間に睡眠や食事をとっても体のリズムは崩れる。

若いうちは苦にならなかったが、自分がどう思おうが、人にどう見えようが、老化した体には良いわけがない。

           ー

救命救急もやっている馬の病院は、夜間診療はなくすわけにはいかない。

馬は急患が多く、疝痛も、お産も、骨折も、翌日まわしというわけにはいかない。

(ヒトも、小動物も、牛も、かなり翌日まわしが現状だよ!)

しかし、できるかぎり昼間できる診療は昼間やった方が良い。

もう人的資源が限りがあることははっきりしているし、それも枯渇しかけている。

夜中に働きたい人などいないのだ。

           ー

”夜の牝馬” とは悪夢のこと

私が言う理由がわかるだろ?

 

* 夜の牝馬 Night Mares

  mare は古代英語で悪魔のことだそうだ。

現代英語のmare 牝馬と混同もあって、悪夢は馬に乗った悪魔が運んで来るイメージもあるらしい。

 

 

 


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