臍ヘルニアのヘルニア輪の大きさを表現するのに、
「指3本入ります」
とか、
「3指幅(さんしふく)です」
と表現される。
これは、触って、指で大きさを感じたのをそのまま素直に表現しているのだろう。
しかし、指の太さは人によってかなり異なる。
女性獣医さんも増えている。
1.2~1.5倍くらい違うんじゃないだろうか?
「私の指が3本入るんだから、約5cm」と表現した方がいいかも。
客観表現としてカルテにそのまま書けるし、診療記録として望ましいだろう。
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大きさを物に例えるのも未だによく使われる。
粟粒大(ぞくりゅうだい)って聞いたことがあるだろうか?
これは小さいツブツブを言うのだが、粟(あわ)って現代ではほとんど見ないだろう。
あんパンの上に乗ってるヤツ? あれはケシの実だそうだ;笑
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豆粒大もダメだね。
小豆 アズキ と大豆 ダイズ そして隠元豆 インゲン豆は大きさがかなり違う。
英語論文でred beans size と書いてきた投稿者がいたけど、他の国の人にとっては red beans はアズキじゃなくて別な種類の豆を思い浮かべるのかもしれない。
3~4mmの粒・・・と書くのが科学論文として望ましいだろう。
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「小児頭大」も古典的表現で、いまだに使う獣医さんがいる。
私などは、「赤ちゃんかい?小学生かい?」と茶々を入れたくなる。
「直径約20cmで不整形で、表面粗造です」などと表現するのが、医療者としてのセンスではないだろうか。
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各種のボールは大きさが規定されているけど・・・・
何号球と言って、子ども用、女性用、成人男子用で使われる大きさが違う競技も多い。
そして、バレーボール大、と表現しても、「うわっ、手でつかめないくらい大きいんだ」と捉える人と、
「オレは片手でつかめたゼ」という人では印象が異なるかもしれない。
だいたい、ハンドボール、バレーボール、バスケットボールの直径が何cmなのか、知らないでしょう?
どのような物に例える表現も、実際には測定しておらず、推定ですよ、という意味が入っているのだろう。
しかし、それならそれで、
「触感からの推定値です」とか、
「表面カーブからの推測で直径〇〇cm」とか表現するのが科学として正しいと思う。
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今日は晴れるのか、曇天なのか、あいまいな夜明け。
きのう見えたイドンナップ岳は山頂部が白くなっていた。