日曜日ははウマの麻酔セミナーだった。
今年はウマ科学会の臨床委員会の海外講師招聘として、麻酔学会に来日したお二人の先生に日高へ来ていただいた。
講師はコロラド州立大教授のDr.Mamaと、UC Davis名誉教授のDr.Steffey、ご夫婦である。
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テーマが麻酔なので正直どれくらい人が集まるかとか、質疑が盛り上がるかと懸念したが、杞憂であった。
御二人の学術的知識や臨床経験の豊富さがうかがえてとても興味深く、会場での講義・症例発表・質疑もとても盛り上がった。
時間が足りないのが残念なほどで、もっとお聞きしたいことがあった。
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「吸入麻酔中に低血圧と頻脈があるなら、それは循環血液量の不足を意味しているので、輸液をもっと増やしたほうが良かった。」
と明確に答えてくださった。
重度の腹膜炎があった症例での吸入麻酔中も、トキシッックな状態では血管拡張があるので輸液をしても血管外へ逸脱してしまうから、輸液はもっと必要になる、とのこと。
そして、Dr.Steffeyの飛び入りショート講義。
Arterial Pressure = Cardiac Output x TPR
Cardiac Output (心拍出量)は、心拍数と1回拍出量で決まる。
IPPVでは、胸腔を陰圧にして吸い込んでいる自発呼吸と異なり、陽圧をかけて酸素を送り込んでいるので、肺胞の血管が押しつぶされるということはIPPVの基本として知ってはいても、それを状態が悪い患畜への対処に生かすことはなかなか難しい。
しかし、学術的知識と臨床経験の豊富さがそれを可能にするのだと感じさせられた。
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難しい講義やディスカッションを手際よく正確に訳していただいた通訳の方も素晴らしかった。
このような機会を実現するために準備、努力された方々に感謝したい。
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とうちゃんは、自分の水とウンチくらい背負えって言う
でも岩場を登って行くのはたいへんだった・・・・・