学会のために札幌へ移動する日だったのだが、午前も午後も手術予定を入れざるを得なかったので、午後の手術を終えてから出かけた。
-
ことしの北海道産業動物獣医学会は演題数は過去最高の104題。
産業動物獣医学会だけでも、完全に2つの会場に分かれて行われた。
演題数が多いのは良いことのように思われるが、
・結局、半分の演題しか聴けない。
・1/3近は学生、あるいは大学からの発表。
・内容とその質に問題がある発表も少なくない。
ので、手放しで喜んでよいものかどうか。
以前にも書いたことがあるが、私は、この学会は産業動物獣医「師」学会だと考えていて、
北海道で産業動物分野で働く獣医師が、自分達の日々の仕事の中から調査結果や研究成果を持ち寄って研鑽しあう場所であって欲しい。
-
卒論発表は大学でやれば良いし、
研究費や大学の施設や実験動物を使って学術的価値がある成果が出たなら、それは日本獣医学会で報告して評価を受ければ良い。
臨床獣医師が聴きたいのは、自分の診療に役立つ情報で、臨床応用できない情報は興味があるときに調べればそれで済む。
発表者が学生だと質問しても意味のある答えが返ってくることはほとんどない。
-
AAEP アメリカ馬臨床獣医師協会の年次大会は、馬臨床獣医師にとって興味深い演題ばかりだが、実は厳しく選抜されていて、
発表されている演題の4倍ほどの申し込みから選択しているそうだ。
それでいて、学術的な報告ばかりではなく、「How to」のセッションとか、記念講演とか、シンポジウム形式のセッションなどもある。
臨床獣医師が参加したい、参加しておかなければならない、参加すれば自分の診療の役に立つ、そういう集まりであり続けている。
見習ってはどうかと思う。
-
しかし、北海道産業動物獣医学会も全体には素晴らしい。
とても密度は濃い。疲れるけど;笑。
今年もたいへん勉強になった。
-
・放牧牛のミズナラのドングリ中毒の事例報告は興味深かった。ミズナラのドングリに含まれるタンニンは腎毒性を示すことがあるようだ。
食べさせなければ良いのだが、ミズナラやカシワが生えている放牧地はたくさんあるだろう。
・牛の骨折内固定の発表が数台あったのが注目される。
・馬の診療の発表はとてもレベルが高い。(手前味噌;笑)
-
また、がんばろう。そう心新たにさせてもらった。
////////////////
ニセコ・チセヌプリ。
下りは父ちゃんがバッグをはずしてくれた。
ペットボトルの水は空になったし、下りで岩にひっかかると危ないから。