重症畜2頭
結腸亜全摘をして入院している繁殖雌馬が、その朝から調子が悪くなった。 切除できない大結腸基部が壊死し始めているなら、もうできることはない。 - 午前中、2歳馬の去勢。 当歳馬の寛跛行。ひどい骨盤骨折だった。 午後、血液検査をしているあいだに、2歳馬の疝痛の連絡。 予定していた関節鏡手術を延期してもらって、緊急開腹手術。 来院してもひどく痛い。...
View Article初秋の1日
朝に予定していた関節鏡手術は、患馬が発熱したために延期。 それで、往診して骨折馬のキャストをはずし、DRでX線撮影して巻きなおしする必要がないと判断してきた。 その場でx線画像を観ることができるDRは素晴らしい。 - 戻ってから、1歳馬の前肢の跛行。 肘関節のBone Cystだった。 診断するのはなかなか難しい。...
View Articleホントに秋かい?っていうほど忙しい
朝、外傷の1歳。 牧柵に突っ込んだとのこと。 それを途中で他の者にたのんで、予定の大腿骨Bone Cystの関節鏡手術。 DJDが進行しており、軟骨も骨も半月板も傷んでいる。 その手術を始める前に、疝痛の1歳の依頼。 関節鏡手術が終わって、開腹手術。 午後は予定していた1歳馬の球節の関節鏡手術。 第一趾骨底側突起から種子骨靭帯に引張られて千切れたと思われる骨片を摘出した。...
View Article夏の臨床実習の意義
この夏も獣医科実習生が来ている。 1名ずつ、1週間重なりながら、2週間実習していく実習生がほとんどだったのでイイ感じ。 2-3人でまとまって来て、月曜から金曜までの5日間しかいなくて、それも月曜の午前中に来て、金曜の午後に帰る連中が多いと受け入れる方は面倒が多くて、 総入れ替えのあとは、また生活のことなど1から説明しなければならない。 社会見学のような「実習」はゴメンこうむりたい。...
View Articleウマの麻酔セミナー
日曜日ははウマの麻酔セミナーだった。 今年はウマ科学会の臨床委員会の海外講師招聘として、麻酔学会に来日したお二人の先生に日高へ来ていただいた。 講師はコロラド州立大教授のDr.Mamaと、UC Davis名誉教授のDr.Steffey、ご夫婦である。 - テーマが麻酔なので正直どれくらい人が集まるかとか、質疑が盛り上がるかと懸念したが、杞憂であった。...
View Article北海道産業動物獣医学会2015
9/10 海はツートンカラーだった。 学会のために札幌へ移動する日だったのだが、午前も午後も手術予定を入れざるを得なかったので、午後の手術を終えてから出かけた。 - ことしの北海道産業動物獣医学会は演題数は過去最高の104題。 産業動物獣医学会だけでも、完全に2つの会場に分かれて行われた。 演題数が多いのは良いことのように思われるが、...
View Article巡回ドック
きのうの朝は巡回人間ドック。 薄明るくなったので整理券をもらいにいったら4番だった。 問診が始まって、小柄な気の強そうな保健師さんが聞き取りする。 「降圧剤は飲んできましたか?」 いいえ、いつも朝食後なんで。 「検診のときは飲んできてください」 ・・・・・・ 血圧測定してみて、 「あ、でも、安定してますね」 ( ・・だからいつもどおりでいいんだよ) -...
View Article衒学
衒い。 「衒う」とは、ひけらかすこと。 女衒(ぜげん)、なんていう職業もかつてはあった。 それについて知りたい人は、宮尾登美子の小説でもどうぞ。 衒学とは、自分の知識をみせびらかすこと。 奥ゆかしいことは好ましいことではない。 大いに衒学しあって、知識と情報を交換し合えば良い。 われわれ獣医師の背骨は獣医学でなければならないのだろうから。 -...
View Article直腸検査によらない直腸破裂
前日、疝痛を起こした繁殖雌馬が、ひどい疝痛ではなかったのに、翌朝には死んでいた、とのことで剖検。 直腸破裂していて、骨盤腔付近は糞だらけだった。 - 直腸の破裂部位は、骨盤の前縁あたりで、ちょうど獣医師が直腸検査でよく触るあたりだった。 直腸にはかなりの大きさの孔があり、穿孔というよりは破裂、といった方が良い。 -...
View Article牛のプレート固定を普及させたい
昨夜は2歳馬の結腸捻転。 結腸はほとんど膨満していないが、捻じれかたはけっこうなもので、結腸はかなり傷んでいた。 肥厚は中程度、粘膜はアズキ色、結腸動脈周囲は出血し浮腫状。 手術が終わって、片づけして、カルテをざっと書いて、2時間ほど。 濃密な時間だ。 - 今日は7歳競走馬の去勢。 午後は私は会議。 手術室では副管骨の摘出手術。...
View Article友よ静かに眠れ
帯広畜産大学山岳部はかつて厳冬期の大雪山系縦走に初めて成功した。 しかし、そのサポートパーティーが東大雪のウペペサンケで遭難し、3名の現役部員が帰らぬ人となった。 私が生まれた頃の話である。 - 以来、秋にはウペペ参りと称して、ウペペサンケ山に登り、慰霊碑であるケルンにお参りしてきた。...
View Article7ヶ月齢の当歳馬の尺骨骨折DCP内固定
当歳馬が3週間前から跛行し、良くならず、撮りなおしたX線画像で尺骨骨折が確認された、とのこと。 尺骨の骨折線は1cm位上開いている。 来院してもほとんど3肢歩様。 3週間経っているので、骨増勢もしているし、結合織で固まりつつあるのだろうが、骨癒合するには骨折部が開きすぎているので、 体重を支えるために上腕三頭筋が収縮すると、骨折部が開くので痛いのだろう。...
View Article内固定三連チャン
日曜日に、当歳馬の尺骨プレート固定。 月曜日に、2歳競走馬の中手骨外顆骨折のスクリュー固定。 今日、水曜日は1歳馬の近位趾節間関節の骨関節症の関節固定術。 - この手術、私は6例目。 だいぶ慣れてはきたが、いつも症例ごとにたいへんな部分がある。 骨増勢がひどくて削らなければならなかったり、関節が開かなかったり、 肢軸を正常に戻せなかったり、...
View Article耳瘻管摘出
当歳馬の耳からの・・・・耳ダレ? 今まで何度か書いてきた。 簡単なようでけっこうたいへんな手術になることもある。 今回のは、特別分泌が多いようだ。 それでも、laserを使ったり、メッウェンバウム鋏を使ったり、助手にも手伝ってもらって、なんとか盲端になっているところまで摘出した。 片側だったので、疲労困憊とはならなかった;笑。 -...
View Article内固定研修
今日は、以前から計画していた整形外科内固定の練習会。 器材を貸していただいて、さらには器具器材の正しい説明をしていただいて、内固定の練習をした。 ほとんどの大動物外科医が、基本からきちんと教わったことがなく、本を読んだり、文献を調べたりしながら、 独学で必要な知識と技術を身につけてきたはずだ。...
View Article折れたスクリューの抜き方
きょうは、4ヶ月前にプレート(DCP)を入れた中足骨骨折のプレート除去手術。 内固定手術をしたときにプレートスクリューの1本のヘッドが折れてしまっていた。 で、 他のスクリューを抜いて、DCPを引っこ抜いた(minimally invasive technique)後、 (リーマー;右、と摘出用ボルト;左) リーマーで折れたスクリューの周りを少し掘り、...
View Article下顎骨折を内固定したLCPを抜いた
下顎骨折はややこしい。 内固定するので整形外科だが、運動器障害ではない。 たいてい口腔内へ開いているので、汚染されている。 そこへプレートを入れるので、インプラント(プレートとスクリュー)の周囲が化膿する。 骨癒合と感染の競争になる。 成長期の馬でなければ、プレートは入れっぱなしで良いのかもしれないが、化膿するとインプラントを取り除かないと化膿が治まらない。...
View Article子宮「?」腫
繁殖雌馬の子宮に塊状のものがあり、 去年はそれがあるまま受胎して、今年無事に分娩したが、今年は4回交配して不受胎だった、とのこと。 超音波で確認するが、塊状のものは子宮壁の中にある。 子宮内膜をかぶっている。 大きさは直径4cmほど。 内視鏡でみながらスネア(ワイヤー)をかけたり、laserで切除できるかもしれないが、子宮穿孔させるリスクがあり、開腹手術した方が早くて確実だと判断した。...
View Article超音波画像診断研修会
きのう日曜日は超音波画像診断の研修会。 実習馬を借りて、座学のあと腹部、胸部、眼、肩まわり、股関節まわり、などの超音波画像診断を練習してもらった。 馬の臨床に超音波画像診断が導入されて30年あまり。 最初は卵巣や子宮を観る道具として登場した。 おおいに画期的ではあったのだけれど、繁殖以外の目的ではさほど活用されなかった。 競走馬では浅屈腱炎の診断に不可欠なものになった。...
View Article回虫症
子馬が2日前から疝痛、ということで朝、急患として来院。 便が硬いし、量が少ないとのこと。 超音波では十二指腸が気体で膨らんでいて、胃拡張もある。 他の小腸は攣縮して空虚な部分が多い。少し厚さを感じる。 小腸の中に回虫が泳いでいるのが何匹か見えた。そいつらは生きていた。 WBC19,000、PCV43%、乳酸値2.3mmol/l。 -...
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