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Channel: 馬医者残日録
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重症のフレグモーネor血栓症→敗血症、トキセミア、頭部外傷

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5日ほどフレグモーネで治療していたが、痛みがひどく、患肢を下にすると立てなくなり、死んでしまった、との妊娠馬の剖検。

これは大腿部。

皮下織は出血性。

飛節周囲には皮膚が破れた部分もあった。

悪臭がした。

よほど性質(たち)の悪い病原菌に負けてしまったのか、と思いながら、

筋層まで切ってみたら、

内股の太い動脈が血栓で完全に閉塞していた。

フレグモーネの経過中にこうなったのか、あるいは最初から血栓ができて肢が壊死し始めたのか・・・

血栓をもみほぐしてみたが、円虫仔虫は見つからなかった。(円虫仔虫の好寄生部位である)前腸間間膜根部には血栓はなかった。

内股の筋肉は退色した部分があった。

血行が途絶えたためもあるだろうし、感染と熱によるのかもしれない。

起立不能でもがいたらしく、頭もぶつけた痕があった。

脳脊髄液は出血性だった。

                    ///////

ゆうべは、日付が変わってから起こされた。

分娩後10日ほどの繁殖雌馬の開腹手術。

痛みはひどく、血液検査でもPCV上昇を認め、乳酸値も著増。

倒馬したら、結腸捻転のように腹壁を結腸が押し上げていた。

しかし、捻転もはっきりした変位もなかった。

それでも、開腹しないと手遅れになる可能性があった。

終わって午前2時45分。

                     -

相棒を置いていった旅先で・・・・

おまえ、ここで何やってんだヨ!

 


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