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Channel: 馬医者残日録
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2月後半の日曜日は新生仔治療と骨折内固定と結腸捻転と・・・

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日曜日、新生子馬の集中治療・管理の依頼。

早期胎盤剥離で生まれて虚弱で、起立介助して哺乳していたが、3日目の早朝から疝痛を起こしたとのこと。

来院したら、PCVは35%だが、眼球陥没、皮膚テント延長。ひからびている。

糖質、アミノ酸が入った輸液を持続点滴する。

そのための静脈カテーテル留置。そして、起立困難な新生子馬は尿道カテーテルも入れておかないと膀胱破裂の危険もある。

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すでに、中足骨骨折の新生子馬の依頼も受けていた。

その内固定手術もまた神経をすり減らす。

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夜、この春の実習生の迎え。

2人別々のバスで来たので、二度迎えに行く。

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夜、立てなかった子馬も起立介助すると立って、なんとか親の乳房から吸える。

しかし、母馬の方が乳があがり気味。

子馬に頑張って吸ってもらうしかない。

持続点滴を中止し、母馬と一緒にする。

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11時19分、分娩後10日ほどの繁殖雌馬の疝痛の依頼。

話を聞いただけで分娩後の結腸捻転のようだ。

来たばかりの実習生ももちろん起こす;笑

来院したら立っていられないほど痛い。

血液検査ではPCV56%、乳酸値6.9mol/l。

即、開腹したが、結腸は完全に捻れて絞扼されていて色調は悪い。

ダメかと思ったが、骨盤曲を切開して内容を抜いて、捻転を整復したら色調は回復した。

しかし、粘膜はかなり壊死の状態に近い。

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夜明け前4時過ぎに入院厩舎へ移す。

うっすら積もった湿った雪がザラザラとアスファルトの上で凍っていた。

危なっかしくヨロヨロと歩く。

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月曜日、

明け1歳の大腿骨軟骨下骨嚢胞。x線撮影と病巣内ステロイド注入。

当歳馬の感染性関節炎と聞いていたが、検査所見や馬の様子を観るとこれは違う。x線撮影したらひどい骨折だった。

午後、明け1歳の種子骨遠位部の骨片骨折の関節鏡手術。手こずるかと思ったが、1時間もかからずに終わった。

結腸捻転の馬は術後12時間で40リットル輸液し、3つ目の輸液バッグを吊るした。

臨床実習生に、心拍を数えてもらい、腸の蠕動音を聴いてもらう。

症例を観て、本で学んで、病馬に触れて、さてそれを一生の仕事にしたいと思うかどうかは君しだい。

 

 

 


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