Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

子宮捻転による難産

$
0
0

夜、サッカー日本代表のアフガニスタン戦を寝落ちしながら観て、その後、寝入りばなを難産で起こされた。

予定日まで2週間ある繁殖が、頭も前肢も来ていなかったのを、片前肢だけ直したが出ない、とのこと。

来院したら、産道が傷ついていて出血している。

すぐにプロポフォールで全身麻酔する。

後肢を吊り上げて、もう片方の前肢も直し、頭も鼻から産道に入るようにして、あとは引張るだけ・・・・

なのだが、男4人でひっぱってもまったく出てこない。

母馬の口粘膜は白っぽい。

子宮破裂して、胎仔の肢が子宮から出ているとか、何かひどい異常があるのだろうと考えた。

しかし、飼い主さんは帝王切開する気はない、もうあきらめます、とのこと。

安楽殺するしかなかった。

                      -

(剖検写真です)

お腹を切ったので下へ落ちてしまっているが、馬の右に左の卵巣からつながる右子宮角があった。

その中に子馬の尻から背中がある。

その向こうにあるのが右卵巣からつながる右子宮角で、後肢2本が入っている。

この馬は、その朝も疝痛だったのだそうだ。

そして、夜も疝痛で診療依頼し、子宮外口が開いている、とのことでそのうち破水して分娩が始まった。

最初から胎仔は死んでいたそうだ。

破水から3時間近く経って来院した。

                      -

朝の疝痛も子宮捻転によるものだったのだろう。

助けるとしたら、午前中のうちに開腹手術して捻転を整復するか、帝王切開するしかなかった症例だった。

                     ////////////////

とうちゃん、もっとオラと遊んで鍛えとかないと

馬の難産を助けられないゾ

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>