この馬は2歳の5月に跛行で来院した。
遠位部から撮影したが異常はなく、全身麻酔して大型x線装置で撮影した。
肩甲骨関節(窩)上結節などの骨折を疑うなら立位での撮影である程度の画像は撮れるが、関節内の微妙な変化を判別できる画像は全身麻酔して大型麻x線撮影装置で撮らなければ病変を見逃しかねない。
肩関節を形成する肩甲骨関節面にSubchondral Bone Cyst 軟骨下骨嚢胞がみつかった。
肩甲骨関節部の尾側が突出するような変形はまったくないので、肩関節の変形性関節症も進行していない。
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しばらく休養して、運動を再開したが歩様が気になるとのことで3ヶ月後に再度撮影を行った。
少し病変は小さくなった印象を受ける。
とくに関節面から離れつつあるなら喜ばしい。
2回ともとくに治療はしていない。
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この馬は、12月末に初出走、その後3月までに5回出走し、入着もしている。
競走すると歩様が悪くなるが、回復するようだ。
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そして、また別の、今度は3歳馬。
2歳時から前肢の跛行で、x線撮影で腕節以下は大きな異常はなし。
針治療を何度かしたそうだ。
来院時は、数日休んで来たので、速歩でも点頭は明瞭ではない。
何箇所か怪しい下肢部を撮影したが、跛行の原因と思われる異常はなし。
それで全身麻酔して大型x線装置で肩の撮影をした。
肩甲骨関節窩に軟骨下骨嚢胞。
この馬は、肩甲骨の肩関節の尾側がわずかに突出している。ごく軽度の変形性関節症だろう。
ヒアルロン酸を投与しながら、休養することを勧めた。
先の馬のこともある。競馬できるようになるはずだ。
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ゆうべは、
初産の馬の難産。
怒責が強くて、前肢を曲げているのを直せない、とのことだったので、来院してすぐに全身麻酔。
30分ほどで、両前肢を直して、頭が捻れていたのも直して、牽引したらすぐに出せた。
仔馬は腕節が少し硬く、後肢も飛節で曲がってはいたが生きていて、親子そろって帰っていった。
のだが・・・朝、母馬は死んでいたそうだ。それで、仔馬もあきらめたとのこと。
新生仔不適応症候群の新生仔馬が入院。
今日は、colopexy創が化膿した昨年の結腸捻転surviver 生存馬。非吸収糸を肉芽の中から抜糸した。
1歳馬の疝痛の診察。
当歳馬の疝痛の診察。
さらに、難産の依頼。