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Channel: 馬医者残日録
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小結腸腸間膜ヘルニア

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朝、繁殖雌馬の疝痛の来院。

転がりまわるほど痛いわけではないが、疝痛が続いている。

小腸が膨満しているのが、超音波と直腸検査で判明した。

朝5時に疝痛を発見したが、その前から痛がっていたようすだった、とのこと。

すでに3時間以上続いている・・・・血液所見は悪くはないが・・・・

「開けましょう。小腸捻転じゃなくて、腸間膜の孔とか、網嚢孔とかへ入り込んだんじゃないかと思いますよ。」

                        -

分娩1ヶ月後なのだが、仰向けにするとけっこう腹囲膨満している。

小腸も扱うのがたいへんなほど完全膨満している。

開腹して良かった。

小腸を切開して内容を捨てた。

回腸が、小結腸腸間膜の5cmほどの裂孔をくぐっていた。

大結腸を切開して内容を捨てる。腹腔をできるだけ空にして、小結腸腸間膜基部に近い部分の裂孔を縫って閉じたい。

私も手洗いしてワンポイントリリーフするが、1糸かけて縫うのが精一杯で、完全には縫えない。腹腔の底で見えない。

                        -

絞扼されていた回腸の様子はかなり回復した。

色調は回復してほぼ健康なピンク。

点状出血は融合して斑状に広がっているが、暗色の部位はない。

腸管に括れた部分もない。

指ではじくと収縮もする。

Freeman先生のグレーディングで言えば、Grade2。

温存しても大丈夫だろう、と判断した。

                      ---

午後、血液検査。

分娩後2時間で貧血が始まり死んでしまった12歳の繁殖雌馬の剖検。

子宮動脈破裂だった。

2歳育成馬の跛行診断とx線撮影。

腕節に小さな骨嚢胞を見つけたが、跛行の原因かどうかはわからない。

                      /////////////////

三寒四温。

少しずつ緑になってきたネ~

                    

                     

 

 

                        

 

 

 


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