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Channel: 馬医者残日録
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打撲による管部の挫創

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土曜の夜に、当歳が「管」部を切っているので診てほしい、との依頼。

到着時間を聞いておくが、その時間になっても来ない。

早めの時刻を言わなくても断ったりしないのに。

すぱっと切れているように見えるが、実は上から下へひどくぶつけたらしい。

すっかり腫れて、球節の前までいくつもの傷になっていて、球節も腫れている。

前肢なので立位でなんとか縫えるだろう。

当歳馬なので押さえも効くし、万一蹴られても命にかかわることは・・・たぶんない;笑

傷を借り物の新兵器で洗浄する。

球節の前の皮膚はダメだ。削るように弁状に剥がれていて、おまけにその弁状部分が裂けている。

包帯を巻いて来て欲しかったね。腫れてしまって縫合できない。

駆血帯で一旦締めて肢を細くしてから縫合した。

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だいたい「傷」のことをどうして「創(つくる)」と表現するんだろう?

そりゃ、料理のように切ることで作るものもあるけれど。

切創、裂創、挫創などと言うけれど、正しく概念を理解して区別してるかい?

日本救急医学会によれば、創傷の区別はこういうことらしい。

ぶつけて切れたのは挫創なんだよ。知ってたかい?

こっちのほうがわかりやすいかも。でも、日本救急医学会の定義とすこしずれがあるように思う。

                         //////////////

夕方帰ってきて、「いいのあげるか?」と訊いても反応なし。

「ごはんか?」と尋ねても反応なし。

「冷たい水飲むか?」ときいたら飛び起きて水道のところへ行った。

ちゃんとわかってるのはわかってるんだからな。

 


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