仔馬の跛行を診たら一番疑わなければならないのは「感染」による跛行だ。
細菌性関節炎、蹄の感染、細菌性腱鞘炎、骨髄炎などが多いし、その場合少しでも早く抗生物質投与を始めることが予後を左右しかねないからだ。
当歳馬は特別感染に弱いから、と思われているが、1歳馬、まれに2歳馬でもありうる。
もちろん成馬でも。
跛行を診てほしいと頼まれて、来院して体温を測ってみたら発熱していて、血液検査をしたら炎症像があって、
抗生物質投与を始めたら良くなる跛行にかなり遭遇する。
細菌性関節炎なら腫れるからわかるじゃない?と思われるが、肩、肘、股関節など腫れてもわかりにくい関節もある。
足根間関節、近位指・趾節関節、蹄関節などもそうかもしれない。
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股関節周囲炎だろうと診断して、抗生物質投与してもらって良化した2歳馬。
しかし、納得してもらっていないようで股関節のX線撮影をすることになった。
まあ、念のために骨に異常がないことを確認しておきたいという事情があるのかもしれない。
骨盤は全身麻酔しないと撮影できない。
美しいX線画像が撮れた。