日高山脈を越えて・・・(なっが~いトンネルでくぐって)帯広へ向かった。
十勝の風景は私には懐かしい。
広々としていて、空気が澄んでいて、木々の種類が少しちがう。
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十勝獣医師会の主催の講習会で、「サラブレッド生産地のmedicine and surgery」と題して講演させていただいた。
タイトルの示すところは・・・・
32年を振り返れば、私がやってきたことは、馬臨床先進国の馬臨床獣医学を日本に持ち込んで実践すること、だったということ。
そして、今日は繁殖reproduction の話はしません、ということ。
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ただ、私が話すと、全身麻酔しての手術が中心になってしまう。
吸入麻酔機が無く、馬の数がそれほど多くない、それも重種馬の地域の獣医さんにそのまま話しても役に立たないと考えた。
しかし、少なくとも馬も診療することがある獣医さんたちなので、初歩のHow toは職場の中で学んだり伝承できるはず。
それで、サラブレッド生産地では馬はどのような病気や事故で死んでいて、それを助けるためにどうやってきたか、この30年の推移がわかっていただけるように話の内容を考えた。
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腸捻転、骨折、分娩事故が生産地の馬の3大死亡原因だ。
保険加入前だが、これに仔馬の死亡が加わる。
どうしようもない事故のように思われるが、どれも治す方法はある。
具体的にはどうする?どうやってきた?をお話したつもり。
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ついでに、馬はこうやってますけど、牛はどうですか?ということで、輸液の話や骨折内固定の話もした。
時間が押してしまったが、子牛の脛骨骨折内固定のデモンストレーションも観ていただいた。
皆さん興味はあるようで、あとは正しくAO法を取り入れていくだけだと思う。
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行き帰りの道すがら、倒れている樹があったり、沢沿いが崩れていたり、台風の被害のあとが散見された。
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来年の牛馬の飼料不足を心配する声も聞いた。
豊かな食糧生産地になっている十勝地方だが、天候に左右され、天災に打撃をうける農業畜産であるのは今になっても変わらない。