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Channel: 馬医者残日録
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橈骨の骨軟骨腫

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現役競走馬、跛行して帰ってきた。

腕節の近位外側がかなり腫れている。

手根管腔が腫れているのだが、それだけではない腫れが周囲に広がっている。

x線撮影で骨軟骨腫 Osteochondroma が見つかった、とのこと。

あまり大きくないが、細くて尖っている。

それで深屈腱に傷がついてしまったのだろう。

関節鏡を手根腱鞘に挿入する。関節鏡でなく腱鞘鏡ということになるのだけど。

出血しているので見えにくい。フィブリンや傷ついた組織のフラップの視界を邪魔する。観にくいのは腫れているせいもあるかもしれない。

ロンジャーで出っ張りをつかんでX線撮影してもらう。

つかんでいるのは骨軟骨腫に間違いない。

根元に骨ノミをあてておいてハンマーで叩いて折る。

折れたがまだ根元にでっぱりが残っている。

あとは鋭匙で削る。

でっぱりがなくなったのをX線撮影で確認する。

                            -

どうして骨軟骨腫 Osteochondroma ができるのかはわかっていない。

体が何かを間違うのだろう。

調教前の若馬や、年いった繁殖雌馬や種雄馬では診たことがないので、調教や競走が要因になるのかもしれない。

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オラ、今晩も厳寒フードへ避難中。


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