生まれて半日の子馬。
自分で立ったが、乳を飲むことはできず、ほぼ寝たきりになっている、ということで診療依頼。
生まれて半日ならまだ様子を観てもいいかも・・・・・と思いながら・・・・・
来院したら、新生仔にしても細い。
1年腹に入っていたと言う。
(ふつうは馬の妊娠期間は341日)
元気な仔馬なら、乳を飲めなくても24時間くらいは元気が続くのだが、この仔馬は状態が良くない。
低体温。
刺激には反応するが、自発運動がない。
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保温、尿カテ留置、経鼻カテ留置、ブドウ糖と電解質液の持続点滴、酸素吸入。
肉付きが悪く、1年も腹に入っていたのは胎盤機能が悪く、発育が悪かったのだろう。
そして、まだ新生仔として目が覚めていないのだ。
Madigan foal squeeze をやってみた。
あとは、フィナステリドを投与する。
様子を観ながら1時間に50mlずつ搾った親の乳を経鼻カテーテルで入れることにした。
新生仔馬は消化管まで動かないと、すぐ胃拡張を起こして胃穿孔する。
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夜中、1時に入院厩舎へ行って、仔馬への持続点滴を補充した。
3方活栓が割れて液漏れしているので、交換した。
母馬に鎮静剤を投与して、乳を搾ってもらう。
300ml搾れたので、6回、6時間分。
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朝、また母馬に鎮静剤を投与して乳を搾ってもらう。
今度は50ccのシリンジを切って作った吸引器で吸う。
オキシトシン25IUもうったせいか、短い時間に500ml吸えた。
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この生まれて2日目、介助してやると立てるようになった。
しかし、口で吸うことができない。
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生まれて3日目、自力で立てるようになった。
舌を使って吸うことができず、ボウルからミルクを飲むようになった。
4日目、退院していった。
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入院厩舎に、もう一組の親子。
これも新生仔脳症。
やはりフィナステリドを与えて、親の乳を吸いに行くようにはなった。
しかし、まだうまくは吸えない・・・・・
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Madigan先生によると、フィナステリド投与2.5mg1日1回投与しているのだそうだ。
5mgまでは増量して良いらしい。
私たちは今年は4mg1日1回でやっている。
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口には当てるんだけどね~
くわえる練習しないとダメだな