Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

新生仔脳症

$
0
0

生まれて半日の子馬。

自分で立ったが、乳を飲むことはできず、ほぼ寝たきりになっている、ということで診療依頼。

生まれて半日ならまだ様子を観てもいいかも・・・・・と思いながら・・・・・

来院したら、新生仔にしても細い。

1年腹に入っていたと言う。

(ふつうは馬の妊娠期間は341日)

元気な仔馬なら、乳を飲めなくても24時間くらいは元気が続くのだが、この仔馬は状態が良くない。

低体温。

刺激には反応するが、自発運動がない。

                         -

保温、尿カテ留置、経鼻カテ留置、ブドウ糖と電解質液の持続点滴、酸素吸入。

肉付きが悪く、1年も腹に入っていたのは胎盤機能が悪く、発育が悪かったのだろう。

そして、まだ新生仔として目が覚めていないのだ。

Madigan foal squeeze をやってみた。

あとは、フィナステリドを投与する。

様子を観ながら1時間に50mlずつ搾った親の乳を経鼻カテーテルで入れることにした。

新生仔馬は消化管まで動かないと、すぐ胃拡張を起こして胃穿孔する。

                         -

夜中、1時に入院厩舎へ行って、仔馬への持続点滴を補充した。

3方活栓が割れて液漏れしているので、交換した。

母馬に鎮静剤を投与して、乳を搾ってもらう。

300ml搾れたので、6回、6時間分。

                         -

朝、また母馬に鎮静剤を投与して乳を搾ってもらう。

今度は50ccのシリンジを切って作った吸引器で吸う。

オキシトシン25IUもうったせいか、短い時間に500ml吸えた。

                         -

この生まれて2日目、介助してやると立てるようになった。

しかし、口で吸うことができない。

                         -

生まれて3日目、自力で立てるようになった。

舌を使って吸うことができず、ボウルからミルクを飲むようになった。

4日目、退院していった。

                         -

入院厩舎に、もう一組の親子。

これも新生仔脳症。

やはりフィナステリドを与えて、親の乳を吸いに行くようにはなった。

しかし、まだうまくは吸えない・・・・・

                         -

Madigan先生によると、フィナステリド投与2.5mg1日1回投与しているのだそうだ。

5mgまでは増量して良いらしい。

私たちは今年は4mg1日1回でやっている。

                       /////////////////

口には当てるんだけどね~

くわえる練習しないとダメだな

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>