競馬をして休養に帰ってきた馬が、数日後発熱して調子が悪く、翌日には軽い疝痛を示し、心拍も100を超えているので診てほしい、との連絡。
消化管破裂の腹膜炎だな、と推察し、「それ厳しいですよ」と応えて待つ。
来たときに馬運車の中で死んだ。
剖検したら、ひどい腹膜炎。
汚い腹水が増量し、腹腔臓器はすべて赤黒くなっている。
しかし、成馬が突然腹膜炎を起こすなんて・・・・・
そして、憩室の一部はもう穿孔していた。
回腸憩室の壁はしっかりしているので、ずっと前からあったものだろう。
そこへ食べたものが詰まるようになり、今回破裂したのだ。
-
腸憩室は人でも憩室炎を起こしたり、穿孔することがある。
人では大腸憩室が多いが、回腸憩室もある。
憩室炎くらいの症状で気づき、消化管造影検査などで穿孔前に診断がつけば治療できるだろうが・・・・・
物言わぬ馬。穿孔、破裂してしまうと助けるのは厳しい。
/////////////////
おまけにその肢は付けないほど痛い。
皮膚炎のせいか・・・・冬に捻挫したところをまた傷めたか・・・・
-
物言わぬ動物を診るのは、観るのは、看るのは難しい。