3歳現役競走馬。
運動器の故障で長期休養していた。
調教再開し、運動器は問題なくなっていたが・・・・・
右の顔面麻痺。
右眼はまばたきできず、
この馬は右耳の下垂はひどくない。
まばたきできないことによる乾燥性角膜炎はかなり進行してしまった。
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側頭骨舌骨関節症だろうとあたりをつけ、まず喉嚢内視鏡検査をした。
右喉嚢。茎状舌骨の側頭骨との関節近くが異常に太くなっている。
側頭骨のx線撮影もした。
左-右方向撮影。側頭骨岩様部が骨増勢している。茎状舌骨が太くなっているのもわかる。
腹-背方向撮影でも、側頭骨岩様部が骨増勢しているのがわかる。
点眼薬を処方して、角舌骨摘出手術を予定した。
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この病気、
最初に高齢の繁殖雌馬を依頼され、
本州からの乗馬を2頭手術して、
症例発表した。
その後、
繁殖雌馬を手術し、
当歳で発症した馬をCTも撮ってもらって1歳になってから手術し、
明け2歳馬もCTを撮ってもらって、中耳炎もあるので、角舌骨摘出手術と耳管洗浄を試み、
地方からの現役競走馬も診断されて帰ってきたのを手術し、
今回で8症例目かな。
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けっこうあるものだ。
たぶん以前は、「何だこの馬?」ということで、ダメになっていたのだろう。
顔は麻痺し、眼は傷つき、そちら側の耳が動かなくなってなので、
顔をぶつけた、などとは誤診しやすいかもしれない。
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