夕方、前日分娩した繁殖雌馬が沈鬱、食欲不振、さらに軽度の疝痛も示す、との相談。
お産が重かったのだそうだ。
子宮動脈破裂する歳ではないし、消化管破裂を疑うほどひどい症状でもない。
子宮穿孔かもしれないが触診ではわからなかったし、腹水増量はない、とのこと。
輸液をして様子を観たら・・・ということにした。
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夜中起こされた。
夕方、相談された馬がやはり来院し、子宮穿孔を確認した、とのこと。
「子宮穿孔は夜中にやらなくてもいいんだけどな・・・・」
と思いながら開腹手術におもむく。
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早期に対応できた子宮穿孔にしては馬の状態は良くない。
血液検査所見も悪い。
PCV51%、白血球数3000、乳酸値3.1mmol/l。
開腹手術したら、血様の腹水がひどく増量していた。
左子宮角の穿孔部を縫合して閉じる。
血様の腹水を吸引して廃液する。
大量の血餅も出てきた。
細菌感染による腹膜炎症状より、出血による循環性ショックの症状が強かったのだろう。
小結腸や盲腸も気脹していたので、ガス抜きした。
大量の生理食塩液を腹腔に入れて、吸引することを繰り返した。
トロッカーカテーテルを留置して、明日から腹腔洗浄できるようにした。
終わって、帰ったのは1時過ぎ。
緊急扱いして夜中に手術して正解だった。
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翌日、出勤したら疝痛馬が来院すると言う。
繁殖雌馬、分娩後約1ヶ月。
来院したら痛みは落ち着いていたが、超音波画像検査で肥厚した結腸壁が見えて、浮腫をおこした結腸動脈も見えた。
直腸検査でも結腸壁が肥厚している。
開腹手術することにして、私は助手を務めた。
りっぱな結腸捻転だった。
私が考案した方法でcolopexyもやってもらった。
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その手術の最中に、子牛の脛骨骨折の連絡。
骨折プレート固定は、開腹手術より件数が少なく、手術方法も症例ごとに知識と経験を総動員して考えなければならない。
その子牛の脛骨骨折が書きたかったことなのだけれど・・・前夜からの状況が長くなった。
指と頭をフルに使う症例は、余裕のあるときにやってくるとは限らない。(つづく)
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きょうは、オラはへいのかげでかぜをよけてねてた
だってこのじゃまっけなものはかぜにあおられるんだ