Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1692

前夜からの仔馬の小腸捻転

$
0
0

朝、相棒と散歩していたら、どうやら患畜が来る気配。

家に帰って、さて焼きたてのパンを食べよう、としたところへ電話。

「仔馬の腸管手術、お願いします」

「10分後でイイか?」

と訊いて、急いで食べる。

                     -

ゆうべからの疝痛。

一度は落ち着いたように見えたらしいが、子馬の顔は擦りむけ、目の上は敗戦ボクサーのように腫れている。夜中も痛かったのだろう。

小腸がパンパンで、盲腸はすっかり小さい。

回腸の一部が括れて変色していたのをほどいた。

捻れていたのか、どこかへ入り込んでいたのかわからない。

腸間膜の血管を結紮止血して、回腸を切断して、膨満した小腸内容を捨てる。

切除して、端端吻合した。

まだ2週齢の仔馬。小腸が細くてやりにくい。

                     -

腹腔を洗浄して、閉腹。

胃拡張がひどく、鼻から胃液が出始めた。

術前も胃液が出ていたらしく、誤嚥していたようだ。

しかし、術前に胃カテを入れてもほとんど抜けなかった、とのこと。

                     -

そのあいだに、繁殖雌馬の疝痛も来ていた。

これも昨夜からの疝痛。

これはあとで、胃破裂していたことがわかった。

空腸腸間膜ヘルニアだった。

                     -

午後、競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。

                    //////////////////

とうちゃん、はやくかえってごはんだ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1692

Trending Articles