北海道の新得町トムラウシに1年間山村留学した家族の生活について書いたエッセイ。
紹介をみて、読んでみたい、と数年前から思っていた。
新刊の単行本は高いし、そのうち図書館で読めるかな・・と思っていたら、文庫本が出たので思い切って(笑)amazonで取り寄せた。

文庫本が好きなのさ。
安い。
どこへでも持っていける。
寝転んで読める。
所蔵に場所をとらない。
今のところ、裸眼で読めるし;笑
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この本はとても面白かった。
長編エッセイというよりは、日記風。
子供3人を抱えての、僻地への山村留学(家族ぐるみでも留学って呼ぶのか?短期移住だろう)はドラマではあるけど、
そのこと自体以外に大きなドラマは起きない。
トムラウシには筆者は登らないし、クマにも遭わない。
それじゃあ退屈という人には向かないかもしれないが、子供たちとのやりとりが愉快だし、
筆者の感性や価値感が素敵だ。
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北海道好きで、職を棄てて家族を引き連れて(それも長男は受験生)トムラウシへ移住してしまう”夫”が不思議で興味が湧く。
世間離れしている、と書かれているが、そんなもんじゃ済まなさそうだ。
カラスを知らなかったみたいだし;笑
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私も、「風景がきれいな所で暮らしたい、というのがあったんですか?」と訊かれたことがある。
意識したことはなかったが、それはたしかにあったかもしれない。
海や、あるいは山が見えるとか、ときどき美しい朝陽か夕陽が見えるとか、大きな樹が身近に生えているとか・・・・
そんなことに価値を認めない人も多いかもしれないが、そうでない人も多いのだろう。
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次に読む本も買ってあったのだが、読み終わったこの本をまた読み直した。
「羊と鋼の森」で本屋大賞を受賞し、注目されている小説家宮下奈都さんなのだが、先に出たエッセイ「はじめからその話をすればよかった」
も読んでみることにした。
”夫”がどんな人か少し書かれているようなので、楽しみ;笑
